2020年01月24日

世直しドクター オレオレ詐欺編 第1話

 

ピピピ。ピピピ。

 

めざまし時計のアラーム音が時を知らせる。

 

ようやく深い眠りに入りそうなところだったのに・・・

 

体は最悪と言っていいほど気だるいし

 

頭は全然すっきりせず思うようには起きてくれない。

 

今が一番起こして貰いたくない時なのだが

 

めざまし時計の野郎はそんなことお構い無く

 

音域を徐々に増大し音の間隔を限りなく短くしながら

 

意地悪にも俺を虐待しにかかる。

 

「あ~ぁ」

 

大きなあくびをする。

 

音がしているのはわかっているのだが

 

どうしても手を伸ばして止めるといった行為すら

 

めんどくさく感じてしまい

 

しばらくの間

 

めざまし時計が最大限我が身をまっとうするように

 

そのままの状態にして遊ばせてやることにする。

 

気持ち的に騒がしさにイラついているのは自分でもわかる。

 

でもここでいつもどおりに時計を止めてしまうと俺の負けだ。

 

時計のおもいどおりに従ってしまうのは俺にとって納得がいかない。

 

たまには反抗してやるんだ。いつも甘い顔すると付けあがるから。

 

じゃないとまるで俺が音を止めるしか脳のない奴隷のようではないか。

 

変な理論のもと今朝の俺は成り立っている。別に酒に酔っている訳ではない。

 

当直の時に酒を飲むなんて御法度である。

 

寝不足が考えを鈍らせるから誰に迷惑かけるでもなしに

 

逆らっているんだということをわかってほしい。

 

「うう~」

 

再度うめき声。体のどこも悪いといったところは無いのだが

 

そうやって発声すること自体が俺にとって

 

(さあ、頑張って起きてやるぞ。)

 

という気合いをいれるための充電ともいえる。

 

心配しなくても気持ちはちゃんと前向きなのだ。

 

薄目を開け、目の玉だけ動かし流し目になりながら時間を確認する。

 

8時50分。「ほんとかよ。」2度見する。段々と時計が憎らしい奴の顔に見えてくる。

 

8時40分にセットしてあったのでそうこうしている間に

 

もうすでに10分という長い年月が過ぎ去ってしまったようだ。

 

全世界が俺を騙そうとして10分という貴重な時間をこの短い間に奪い取ったんじゃないか?

 

おそろしく早く感じる。

 

暇な時の1分とさほど変わらない感覚がする。

 

「よし。起きるか。」

 

これ以上寝てても仕方ない。この当直室のヌシになるつもりは毛頭ない。

 

声に弾みをつけて一気に起き上がるとともに

 

今まで出しゃばっていためざまし時計をグーの音も出ないほど押さえつけてやる。

 

「はっは。ざまあみろ。しとめてやったぜ。」

 

起きるのにここまで苦労するというのも

 

昨夜の当直で全然寝かせてくれなかった現実があったからだ。

 

午後11時までは不気味なほど病院はひっそりとしていて

 

今日はこのまま何もなく翌朝まで落ち着いた感じで過ごせると思っていた。

 

シメシメ。労働なく賃金ゲット。

 

今の俺は当直当番の一人の医師というよりも

 

むしろビジネスホテルに泊まっているサラリーマンとさほど変わりはない。

 

「さあて、風呂でも入るとするか。」

 

と思っていた矢先、浮ついて考えていた甘い考えに天罰が下ることとなる。

 

「先生、急患が入ります。」と言った事務員の言葉がスタートの合図となり

 

まあ、お患者様が来るわ。来るわ。

 

それぞれ親同伴での熱発の子供1・2・3人と時間をおいて来たのが始まりとなり

 

心筋梗塞疑いのおとうさん。交通事故のカップル。

 

脳梗塞疑いのおばあちゃん。

 

挙げ句の果ては線香を誤って誤飲してしまったという赤ちゃんまで。

 

処置したのち、このままほったらかしには出来ない患者については

 

あっちの科、こっちの科と専門の所に連絡して

 

患者を移す手配で目が回りそうなほどの忙しさだったのだ。

 

途中カルテを書いている時にあまりの忙しさに

 

頭が休憩を求めているらしく動きが止まっているのが自覚できた。

 

このまま仕事を放棄してロダンの銅像になれたらどんなにか幸せだろうと思ったほどだ。

 

また御苦労なことに、来てくれた人々がまとめて当院に来てくれるのではなしに

 

まるでタスキリレーでもおそらく俺の隠れた所でしているんじゃないかと思うくらいのペースで

 

終わったら次、終わったら次と間隔を空けることもなくとても有り難く来てくださったのであった。

 

ひと段落つきホッと一息ついたところで腕時計を確認する。

 

もうすでに朝の8時。

 

「うわぉ!!!」おもわず病院の廊下で叫んでいた。

 

気が触れたのか、その場でサンバを踊りたい気分だった。

 

さすがに精神科に直行で連れて行かれそうになるかもしれないので、

 

かろうじてその辺の所は自制した。

 

次の先生に申し送りをしてバトンタッチしてからのわずか40分か50分の間

 

当直室において横になって休ませてもらっていたという状況だったのである。

 

すぐに帰れはしたのだが一睡もしていないこの状況で頑張って帰ろうものなら

 

居眠り運転して大切にしているアストンマーチンごと

 

壁に激突するか高速を逆走してもおかしくない状況だったため

 

少し横にならせてもらってからここを出ようと考えての行動だった。

 

急いで当直室の洗面台で歯を磨く。朝めしは食わない。

 

こんな時に食べ物なんぞ入れようものなら絶対吐いてしまう。

 

ただでさえハブラシが口の奥を微妙に突くだけで吐きそうなのに。

 

それに体が鉛のように重たい。

 

さきほど休む前の体に10KG分の荷物を背負わされているんじゃないかと思うほど

 

体が言うことを聞かない状態となっている。

 

こんなことなら休まず起きていたほうがまだ良かったな・・・

 

と思ってしまう。

 

いそいでデニムに履き替えカ―キのフライトジャケットに着替える。

 

ふう~。ようやく本来の自分に戻れる。

 

「よしパチンコ行くぞ。」

 

(帰って寝るぞ。)てっきりそう思った人がいるかもしれない。

 

俺はそんな軟(やわ)な奴ではない。

 

日中に寝るなんてことをしたら

 

この先の俺の余命というものが体を動かすことなく過ごしてきたんだよと

 

無駄にしてしまったような感覚にとらわれ、つまんない人生を送ってしまったと錯覚するからだ。

 

かといって大切な余命をパチンコに使ってしまうのが楽しい人生なのかと思われるかもしれない。

 

余命、余命と言っているが俺はまだ若いし・・・まあこれも若気の至りなのである。

 

 

つづく

 

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2020年01月16日

フリマサイトにご注意を

 

フリマサイトをつかって商品を購入した際

 

被害に遭われる方が急増しているとのこと。

 

話題になっているのはメルカリがやっている「Paidy翌月払い」。

 

私は使ったことないですが。

 

「メルカリ便」を利用せず出品した商品を購入した場合

 

購入者の住所が出品者に伝わってしまうのから始まるみたいですよ。

 

これを詐欺師は狙っているみたいで

 

出品者である詐欺師は

 

商品送付先を購入者の住所に設定したうえで

 

さらに「Paidy翌月払い」にも設定。

 

それを知らない購入者はお金を振り込み

 

商品を購入するのですが

 

しばらくすると自宅に請求書が送られてきて

 

2重に支払いを請求されるというもの。

 

この「Paidy翌月払い」というのは

 

携帯電話番号とメールアドレスのみで登録できるサービスみたいで

 

気軽に出来ることを利用して、その辺をうまく詐欺師は狙っているとのこと。

 

サービスが簡単になる分、それに見合った落とし穴が用意されてる訳です。

 

情報が簡単でも問題が生じ、細かいとこれまた個人情報漏えいが問題になる。

 

この辺の調整が難しいところではあると思うのですが。

 

日々新しいものが出ると

 

手を変え品を変え詐欺師は違った手段で騙そうとしてきます。

 

少しでもこういったことに関心持っておかないと

 

いつ何時詐欺に遭うかわかりません。

 

あと今朝のニュースでやってましたが

 

財布を盗難に遭われた方が偶然メルカリをみたら

 

盗まれた財布が売りに出されていたのを発見したとか・・・

 

おどろきますよね。人間としてのモラルの問題になってきます。

 

きっと住所をメルカリに登録しているだろうから犯人はわかるでしょうけど。

 

気をつけたいものです。

 

sagisi

 

 

後払い悪用した詐欺横行から引用

 

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2020年01月13日

友へ

 

時々思い出すことがある。

かなり昔になるが大学受験を控えている年の元旦前日の大晦日。

「くま、俺んち来いよ。一緒に年越ししようぜ」

と言うので自分も一緒になって泊まった時のことを。

あの当時は楽しかった。

紅白見て年越し蕎麦食って。

年越したら、近くにある神社行って。

親父さんとおふくろさん。そしてお前と俺。全部で4人。

神社まで寒い思いしながら歩いたっけ。

到着するなり驚いた。

ジャラジャラジャラジャラジャラジャラ。

ものすごい数の賽銭が今にも賽銭箱が壊れるんじゃないか

と思うくらいヤバい音を出しながら五円玉が踊るように投入されていく。

何千枚?いや何万枚?

誰がやっているのかと思いきや親父さんだった。

いくつも小分けにしてある袋を抱えきれないほど持ち

そこには数えきれないほどの五円玉が入れてあって

惜しげもなく投げ込まれていく様子を俺は横で見てたっけ。

お前は、親父さんのそんな姿を見て恥ずかしそうにしてたよな。

周りにいた人々は賽銭が投入されるゴウ音ともとれる騒音に驚いて

「誰だ。あんなに入れる人は・・・」

と言いながら笑ってる人もいた。

子を思う親の強い気持ち。

あの時、俺は初めて他の家族の親子愛というものを垣間見た気がした。

来る日も来る日も生活の中でおつりとして5円玉が出来るたび

今日のこの日のために必死になって貯めていたんだなと思ったら

涙腺が緩み暗闇の中、誰にも気付かれず泣けたっけ。

気持ちがほっこりしてその時だけ寒さが緩んでいくのがわかった。

あの時の親父さん、俺にとっては誰よりも最高にカッコ良かった。

その背中がやけに輝いて見えた。

俺もあんな風になりたいと憧れていた。

あれから何年か経ち

親父さんの葬式でのこと

荼毘にふされるという時に俺が隣りで泣いてるのに気付くと

「なんでお前が泣いてんだ?」って言ってたよな?

あの時、嗚咽をもらし、とても理由を話せる状態ではなかったけど

今だから話すと

五円玉を入れてた親父さんの記憶が蘇ってきたというのが本当の理由だった。

そこまでお前は大切にされてたんだよ。

口下手で大人しい親父さんだったけど

とても芯の強い人で

息子のためにはとにかく一生懸命になる心の優しい人だった。

あれから一向にお前は俺のもとに連絡くれないが

そんな優しい親に期待されて育てられたんだから

簡単に俺の知らないうちにあの世に行ってるなんてなしだぜ。

もう駄目だなんて弱音吐いたら親父さんが天国で悲しむ。

どっか外国の高い山かなんかに長い年月かけてお前は登っているんだよな。

おれはそう思っているから。

例えばエベレストみたいな高い山に登っているので

きっと俺がメールしても音信不通になってるだけだと思ってる。

忙しくてとても俺なんかにメールなんかしてる暇などないと・・・

俺はお前が病気なんかに負けて簡単に死ぬような奴だとは思ってないから。

きっと今は山男になってると・・・

格別だろうな。エベレストの頂上から見る眺めは。

そして帰国した時に「どうしてエベレストに登ったんですか?」と取材でもされたら

かつてジョージ・マロリーが言ったみたいにこう応えるんだよな。

「Because it’s there. そこに山があるから。」と・・・

さすが。親父さんの血が流れているだけあってお前もメチャクチャカッコいいよ。

世界で一番高い所から見る青空は天国にいる親父さんを一番近くに感じ取れる場所でもある。

(これは俺の名言 (笑))

生きてる間、親孝行出来なかった分、

天空から見てる親父さんを身近に感じ取ってこいよ。

そしてみやげ話しをたんまり持って帰って俺に話してくれ。

俺は待ってるから。

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いつか会えるだろう

一緒に見たいくつもの夢に

君のつらそうな目を見たら

手を差し伸べよう

いつか会えるだろう

夢中で追いかけたすべてのものに

でも今の僕には何もできない

だから友よ

今は

さよなら

いつか会えるだろう

一緒に見たいくつもの夢に

君のつらそうな目を見たら

手を差し伸べよう

いつか会えるだろう

夢中で追いかけたすべてのものに

でも今の僕には何もできない

だから友よ

今は

さよなら

 

ともに過ごした懐かしい日々が

 

今悲しい思い出に変わろうとしている

 

ともに過ごした時間はもう2度と戻らないのだろうか

 

いつか会えるだろう

 

一緒に見たいくつもの夢に

 

君のつらそうな目を見たら

 

手を差し伸べよう

 

韓国映画 チング(友へ)のエンディングテーマより引用

 

 

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2020年01月10日

逆あおり運転

あおり運転の次は

 

逆あおり運転をする人がいるとか。

 

次から次へと色んな問題がでてきて

 

大変です。

 

超ノロノロ③

 

 

 

しかも時速4kmで走行。4キロですよ。4キロ。

 

 

超ノロノロ①

 

 

 

決して前に車があって渋滞しての

 

時速4kmではないですよ。

 

 

超ノロノロ②

 

 

 

高速道だとさすがに違反になるみたいですが

 

一般道だとそこまで法律がないみたいで

 

違法ではないみたいです。

 

今回のこのケース・・・

 

警察が口頭で注意したにとどまったみたいですが。

 

あなたならどうします?

 

一般道を延々と30分かけて4キロ走行されたら?

 

急いでいたりした時に、こんなことされたら大変です。

 

こりゃまた世直しドクターの出番かな。

 

 

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2020年01月06日

世直しドクター 

 

 

数回に及ぶ急ブレーキの嫌がらせ。

それに連動して後続の運転者に不安をあおらせる悪質なブレーキランプの点滅。

かと思いきや左から右、右から左に蛇行する妨害運転。

今まさに追従する後続車1台に対し

前を走行している車が攻撃をし困らせている最中だった。

つい先ほどまで後ろにピタッと幅寄せして接近し、

あおり運転をしかけていたが

どうやらそれでは当人の腹の虫がおさまらなかったらしい。

強引に車を追い抜いて前に出たかと思いきや

冒頭に書いたような嫌がらせを後続車一台に向け

執拗にし続けていたのである。

被害者にとっては、いたって普通に走行していたつもりだが、

加害者にとっては気にくわなかった運転技術の何かがきっとあったのだろう。

道路脇に無理矢理に後続車を停めさせようとしている。

被害者からすればこの先何をされるか怖いので

関わりを持ちたくないという気持ちが全面に出て車を追い抜こうとするのだが

前の車が荒い蛇行運転で行き先を阻もうとしているので車を抜こうにも抜けない。

ならばゆっくりと低速運転をして

前の車との距離を離してやり過ごそうとするのだが

向こうもそれに応じて低速になる。

その逆で速度を上げて追い抜こうとすれば

向こうも同じように速度を上げて蛇行運転をして、行く手を阻む。

そんなやりとりが数回繰り返されただろうか・・・

ここはひとまず相手の気が済むように従うしかない。

とうとう強引に道路脇に停めさせられることになる。

助手席から女が降りてきて

手に持っていたスマホを取り出し停車させられた後続の車に向け動画撮影している。

どういった心境なのだろう?普通の血の通った人間のすることとはとても思えない。

そのあと前の車の運転席から勢いよくドアが開いたかと思うと

男がしっかりとした足取りでこちらに向けて近づいて来る。

「おらぁ。

どこ見てんだこの野郎。

なめんじゃねぇぞ。」

突然の怒号に運転者は戸惑ってしまう。

どうすべきか?

男はずんずん進んでくる。

えっ?殺されるのか?

まさにパニック状態。

何を思ったのか運転者はとっさの判断が出来ず運転席の窓を開けてしまう。

そうしないと相手の怒りを増幅させるのではないかと瞬時に考えての判断なのだろう。

運悪くいきなり胸ぐらを掴まれたかと思った瞬間、

思い切り運転手の男の顔面めがけ殴りかかってくる。

1発目で右頬を殴られ

2発目のパンチで肩

3発目で首

どうやら的が意識している所よりもかなり外れているようだ。

「キィーン。」

その数秒後である。何やら後方でブレーキの音。

後続車の後ろ、つまり2台の車の一番後方に

アストンマーチンが滑り込むように停まる。

「鷹之やめときなさいよ。

遅れちゃうわよ。

今日当直あるんでしょ?」

中から男が下りてくると跡を追うように助手席から女性の声。

(しまった。自分は今まさにあたり屋に捕まってしまって標的にされているんだ。)

運転者の男は思う。

「いいから。いいから。

俺はこういうの見ると放っておけねえんだ。」

そう言うと鷹之が殴っている男の方へ全速力で走っていく。

そのままタックルでもして男を突き飛ばすのかと思いきや

殴っている男の前でピタリと止まり

横に来て何も言わずに、つっ立っている。

この挙動不審な行動はやはりあたり屋の一味?

「何だ。オメエ。」

殴っている男が気配に気付くと今来た隣りにいる鷹之に向け問いかける。

「・・・」

応じる事もなくただ黙ったまま。

殴っている男の顔をジッと見ているだけである。

何を考えているのだろう?いったい何がしたいのだろう?

「気持ち悪いんだよ。この変態野郎。」と言うと同時に男の拳がとんでくる。

無言で隣りに立たれているのがかなり煩わしかったのだろう。

どうやらあたり屋のグループではなかったみたいだ。

殴っている男が無言で隣りに立っている鷹之に

いきなり攻撃の矛先を変える。

男の放ったパンチは見事に鷹之の右頬をとらえ一発殴られてしまう。

殴られてふらつくどころかかえって全身に闘志をみなぎらせたみたいだ。

手出さず、助けもせず・・・いったいこの鷹之と言われている男は何がしたいのだろう?

「よし。これで正当防衛成立だな。」

「なんだ、お前。ちゃんとしゃべれるじゃねえか。」

どうやら鷹之はこれを狙っていたみたいだ。

「助けて下さい。」

殴られている男の車の助手席から女の声がする。

「ほら見ろ。かわいそうに。こんなに怯えてるじゃねぇか。」

「うるせえ・・・」と男が言うのが早いか鷹之がすばやく男を突き飛ばすのが早いか

微妙なズレで2つのことがほぼ同時に生じることとなる。

「おい。何しやがる。」

男の言う事は完全無視である。

「ネエチャン怖かったか。俺が来たからにはもう大丈夫だからな。」

「おい。俺の言うこと聞いてんのか。すかしてんじゃねえぞ。テメエ。」

尚も男については無視したまま被害者の車に向けて関心は続く。

「お~お。兄ちゃん大丈夫か。こんなに怯えて。

一番怖い思いしたのは兄ちゃんだもんな。もう俺が来たから安心しろ。

これから俺がこいつを懲らしめてやるから。」

「なにを~。俺を馬鹿にしやがって。

さっきからおいっってんだろ。聞こえねえのか。」

「うるせえんだよ。あほんだら。

馬鹿な犬みたいにほざきやがって。」

ようやく男に向けて言い放つ。

「なんだてめえ。俺とやるってぇのか。ああ?」

「そんなに言うならかかってこい。相手になってやる。

どれくらいお前が弱いのか品定めしてやる。」

「なめた口聞くんじゃねえ。」

男は怒りの導火線に完全に火が点いたようだ。

男が鷹之に向け突進する。

先程のすんなりと殴られてしまったのとは違って

鷹之は微動だにせず男を受け止めると

下に回した手で胸ぐらを掴んだかと思うと

右腕だけで持ち上げて男を宙に浮かせる。

驚いた男は苦しそうに足をバタバタバタとバタつかせている。

鷹之は暴れている男に向け

「おい、半グレ。いいか。よく聞け。

人を脅すんなら、それなりに腕磨け。

これはな子供の喧嘩じゃねえんだ。

お前のパンチなんて痛くも痒くもねえんだよ。

重さも速さもあったもんじゃねえ。」

「うるせえ。ほざくな。ボケ。殴られておいてその言い訳はなんだ。笑わせるな。」

「そうか。そこまで言うなら次は俺の番だな。覚悟しろよ。」

鷹之の目つきが鷹のように瞬時に鋭くなる。

「手加減しねえからな。ぼんくら。

ほんとの喧嘩殺法ってのはな。いいか。こうしてやるんだよ。よく体に叩き込んでおけ。」

鷹之が手を緩めて宙に浮いていた男が地上に下りてくる。

そこですかさず鷹之は膝蹴りを男の腹に食らわし男が前傾姿勢になった所で

顔めがけ2、3発左右左と目にも止まらぬ速さで連打する。

あまりの素早さに今、何が起こっているのか動体視力がついていかない。

男がまだ前傾姿勢のままになっているところへ

上から首または後頭部のあたりめがけ即座に肘鉄食らわす。

ウヴッとうめき声をあげたかと思うと

男はその場に倒れ込んで気絶してしまう。

ほぼ一分もかからず男は倒れる形となる。

「なんだもう終わりか。全然大したことねえんだな。

口ほどにもない奴め。よくこんなんで人に殴りかかっていこうとするもんだ。

呆れて物が言えねえや。」

ギロリと視線をスマホで撮影している女性に向けると

一段と睨みを効かす。

「あんたも馬鹿みたいにスマホでいつまでも動画撮ってんじゃねえ。」

「ひぇぇぇ~。」

女は逃げるように男が気絶して倒れていることなどお構いなく車に戻って隠れてしまう。

鷹之は被害者の男性に向け

「兄ちゃんドライブレコーダーに今の録画してあんだろ?

それ持って警察行きな。きっと警察は力になってくれると思うぜ。

その前にアンタの手当てしねえとな。」

「いえ僕は大丈夫です。

家に帰ったらコイツが手当てしてくれますから。看護師ですので。」

被害者の男性は手で右頬を押さえながら鷹之に言う。

さっきから隣りで彼女が殴られた男の顔を心配そうに見ている。

「そっか。手当てしてくれる人が隣りにいるならな。

じゃあ安心だ。ネエチャンしっかり手当てしてやんなよ。」

「はい。わかりました。助けて下さってどうもありがとうございました。

このお礼はどうお返ししたらいいか。」

「いいってことよ。そんなの。後々めんどくせえことは俺は嫌いだ。

その気持ちだけで俺は充分。ありがたく受け取っておくよ。

その代わり俺の映ってるところだけ警察に見せるのは勘弁な。頼むぜ。じゃあな。」

そう言うと前の車に行き

「いいか。おばさんよぉ。

次、俺の前でこんなことやってるの見たら今度こそ許さねえからな。

男にも伝えておけ。」

そう言うと自分の車に戻り

「ブゥォォォーン!!!」

爆音を響かせながらアストンマーチンがその場をあとにしたのだった。

ここは名古屋大学付属病院の救急処置室である。

「先生、今から喧嘩による被害に遭われた患者さんが救急車で運ばれてきます。」

事務員が処置室に現れ、もうすでに待機しているドクターにそれを伝える。

「はいよ。」

ドクターは焦りも無く

あらかじめそんなの百も承知といった落ち着きぶりである。

救急車が到着するとともに

「いてぇーいてぇー」

と院内に響き渡るほどの大声で叫び狂っている男が運ばれてくる。

「うるせぇ。静かにしろ。見かけだけのヘボ野郎。」

当直医師が痛がっている男に向け怒鳴る。

狂ったように叫んでいた患者だったが

ドクターの突拍子もない意外な言葉に驚き

薄目を開けながらドクターの顔をチラリと見る。

次の瞬間、心臓が飛び出るほどの驚きをみせ

薄目にしていた目を見開くこととなる。

「お、お前なんでここに。」

「俺がここにいちゃ悪いか。いいだろ。別に。」

「お前、い、いったい、いったい何者なんだ。」

「俺か?俺はここの卒業生で今夜はここで当直を頼まれたから来てやってんだ。

文句あっか。実はお前がくるかと思って待ってたんだ。このごろつき野郎。

おそらくさっきの所からここの病院が一番近いからな。

お前がきっとここに来るに違いないと思ってたんだ。

そしたらドンピシャだ。

ついでにキャンキャン騒いでやって来るだろうと思いきや全くその通り。

想像した通りのあほんだらだな、お前は。」

「あら、先生。また大暴れしたの。」

それを横で聞いていた看護師長が動揺することもなく受け流す。

「あなたも運が悪かったわね。

この先生は治療はさることながら武闘派としても大変有名なんだから。」

師長は少しくらいは同情しながらも

感情とは全く逆に微笑みながら男に向け諭している。

「なあいいか。そこのぼんくら。よく聞いておけ。

世の中にはテメエより強ええ奴なんてごまんといるもんだ。

力には力で封じ込める。この力の世の中ってもんはよ。

お前さんの考えているような甘っちょろいもんとは訳が違う。

その時はそれで済めばいいが

さらに上には上がいて力がさらに上の奴が現れて尚も力によって封じ込める。

この力が支配する世界ってえ所はつまりは天井知らずって訳だ。

結局は果てしなくヤクザ同士の抗争みたいに永遠と続くんだよ。

お前みたいに俺に簡単に倒されてるようなヘボじゃ

この先危なっかしくて仕方ねえや。

おてんとさんの前でそれなりの見栄を張るなら

度胸とそれにみあった技が必要なんだよ。

お前は馬鹿だから人一倍の度胸はあるみてえだが技が全然ねえ。

それにだ。単独で切り込みを決めようってもんなら遺書でも書いとけ。」

「なんでだよ。」

随分と大人しくなったものである。

さっきまで騒いでいた元気はどこへやらといったところである。

「相当な馬鹿チンだな。お前は。そんなこともわからねえのか。

お前ごとき一人の馬鹿が死のうが生きようがどうなってもいいが残された者の身になってみろ。

お前、子供いるんだろ?大黒柱の父ちゃんが急に居なくなってみろ。

子供にとっちゃあ淋しいもんだ。

それが嫌なら、もう2度とあおり運転して暴行するんじゃねえ。

意気がりたいならいつ死んでもいいように用意しとけって言ってんだ。

わかったか。

それが嫌なら家庭を持つんじゃねえ。」

「お前はどうなんだよ?」

「俺か?俺はあいにく一人者だし、いつ死んでもいいと思ってる。

それくらいの度胸と覚悟がなきゃダメだってことだ。

いいな。今度お前のその蚊を叩いても死なねえようなパンチで

弱い奴殴ってるの見つけたら俺がただじゃおかねえからな。

わかったら、もう帰んな。」

「なんだよ。薬でもくれねえのかよ。」

弱々しい声になりながら男は懇願する。

「お前みたいに風が吹いただけでも痛がる奴に

飲ませてやれる薬はあいにくここにはねえんだ。

わかったら、とっとと帰るんだ。

それが嫌なら、テメエの尻にぶっとい針刺して注射でもしてやろうか。」

「ち、ちくしょう。覚えてやがれ。」

男はスッと立ち上がるとまるで何も無かったようにその場から逃げる。

「はっはっは。」

逃げて行く男を見て鷹之は笑わずにはいられなかった。

「おーい、しっかりズボン履いてベルトを締めろ。

今のままじゃパンツ見えてっぞ。

おい。何してんだ。

見たくもねえ汚ない半ケツ出すなって。

はっはっは。

こりゃいいや。アホ丸出しの馬鹿がここにいる。」

いつまでも鷹之の笑い声が院内に響いているのであった。

「はっはっは。」

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住所:愛知県安城市日の出町2-20

公共機関:名鉄西尾線 南安城駅 徒歩3分
JR 安城駅 徒歩10分
安城市内循環あんくるバス0番
「日の出」バス停留所より徒歩0分

TEL:0566-45-5427

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南安城整骨院・接骨院のおもしろい院長ブログ

安城市にございます南安城整骨院では、院長がブログを配信中です。院内の出来事や治療の事、お体の事、あるいは日常のちょっとした出来事などを綴っておりますが、ご覧いただいている常連の患者様などからは、文学調で面白いとか、エッセイを読んでいるようだとの感想を頂戴しております。
単に痛みの話や交通事故治療の話を語り、南安城整骨院・接骨院にいらしてくださいというのではなく、どこか小説を読んでいるような面白さでございます。是非一度、ご覧いただき、院長の成りや人柄、考え方に触れていただければ幸いです。
整骨院・接骨院での治療は直接お体に触れ、患部の症状を和らげていきます。そのため、やはり施術する人がどんな人であるのかは、患者様の関心事でございます。ブログを見て、この人なら任せられると思った方は、ぜひお気軽にご相談ください。

治療や料金について 患者様からの声
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