2022年12月19日

Never too late

 

 

部屋の中でスマートフォン片手に画面を見ている一人の女性。

ゆっくり動かす彼女の指先と探るように物色する視線の先には住所録がある。

彼女の人生の縮図がまるでそこにあるかのように今まで関わってきた人達を流れるように流し見ては過去に思いを馳せている。

中でもどうやら探したい相手がいるようで誰でもいいといったような無作為とまではいっていない。

次の瞬間、彼女の指はピタリと止まる。

あった。

ある男性の名前…

探し当てたからといって別にどうするあてがある訳ではない。

ストーカーではあるまい。

彼と関わった時間やら積み重ねてきた思い出にじっくりと更ける中でただただ時間だけが過ぎていく。

ちょうど一年が経とうとしていた。

近くて遠い年月の重さをしみじみと感じながら、男性の名前をいつまでもジッと見据え思わず涙ぐんでしまう

—–

急に窓の外が何やら騒がしくなってきた。
何事かと窓の外へと目を向ける。

窓の下には公園があり、キャーキャー騒ぎながら冬だというのに季節はずれの花火を楽しんでいるカップルの姿が見える。

そう。

私達だってあれと似たようなことしたわ。

はたから見たらはみ出たことでも私達は平気で出来たもの。

2人なら何でも出来たと言っていい。

2人で築き上げてきたのよ。

2人だけでしか共有できない世界。2人しか入っては来れない世界。

私達はそれに喜びを覚えた。

言うなればそれが絆となって私達を結びつけていたってことね。

それほど私達の関係は結びつきが強かった。

とても愛の重さが変わってしまうなんてことあるはずないと思っていたもの。

それが違っていた。

とんだ勘違い。

それからよ。近ければ近い程、存在価値が薄くなったのは。

私達はもっと真剣に向き合わなければいけなかった。

顔をつき合わせれば冷たい言葉で責めたくなるから、下を向き沈んだ顔を相手がわかるように見せてた。

思い通りにいかないことへの苛立ちから寂しい感情が当時、私の頭の中を埋め尽くしていたんだと思う。

自分なりに思い描いた理想の姿を相手にわかってもらいたくて演技していたんだわ。
結局、彼は出ていった。何も言わず・・・

今更だけど声が聞きたい。こんな私だけど貴方にわかって欲しい。

通話ボタンに指が行くが自分らしくない演出だと思い躊躇してしまう。

なんで私の方から?

勝ち気な性格が心の奥底にまだ存在している。

でも………本当にこのままでいいの?

街ではクリスマスソングが流れイルミネーションが街路樹を彩ってムードを盛り上げているというのに。

私って何?扉が開いているとわかっていても何処にも飛び立つことさえ出来ない臆病な籠の中の鳥?

引きこもりじゃないんだから。

無様な私。
今、私の中にあって唯一持っているもの。それは彼と築いた絆という証。

それがあるだけ。

そうよ。やってみるしかない。

心の赴くままに今飛び立ってみるの。

 

 

 

 

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あなたにとって素敵なクリスマスになりますように

 

岡崎接骨院

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