2020年02月29日

世直しドクター オレオレ」詐欺編 第9話

 

俺からキツイひと言を言われた孝は

気が動転して狂ったように暴れ出していた。

事務机の上に乗っていたコーラの瓶だったり空き缶だったり

食べかけのポテトチップスの袋を

両手で払い落とし床の上に散乱させた。

乱雑に積み上げられていた1万円の札束も

ざっと五千万円はあろうかと思うほどの量を

払いのけ床の上に散らばらせていた。

「あ~もぉうるさい。うるさい。黙れ。黙れ。黙ってくれ。それ以上言ったらぶっ殺す。

俺を馬鹿扱いしやがって。

そうはいかない・・・そうはいかないからな。

何がフリスビー咥えて戻って来る犬だ。

なんだ?俺は犬以下ってことか?」

「そうだ。」俺は薄笑い浮かべながら躊躇なく応えてやる。

「はっはっは。よくわかってるじゃねえか。」

孝に向けさらに高笑いしてやる。

俺にさんざんコケ下ろされても返す言葉が見つからず

頭を押さえながら馬鹿な男を悔しいが演じるしかない。

どうやら俺の推測したようにこの場から逃げるということはしないみたいだ。

まあそれもそうだ。アニキ達から、「この場を離れるな」と

犬の「おすわり」を命ぜられているのだから。

これで少しでも身に沁みてこの仕事から手をひいてくれるだろうと俺は思っていた。

その時である。

「くそぉ~」突然、孝が狂ったように大声を出す。

「うわぁ~」頭をかかえ奇声を発する。

そのあと虚空を見つめたかと思うと呆然と立ちすくむ。

2転3転と仕草が変わっていく。

やがて独りごとをなにやらブツブツつぶやき始める。

明らかにあぶない奴になっている。

「リーダー・・・逮捕されない・・・かけ子・・・現行犯・・・逮捕されない・・・

受け子・・・俺・・・現行犯逮捕・・・罪・・・すべて・・・かぶせられる・・・」

薬物患者みたいに急に言葉を羅列しはじめ呪文のように唱えだしたのである。

「金ない・・・かあちゃん・・・手術・・・できない・・・」

「そうだ」何かを思い付いたようにつぶやくと

孝は事務机の下にしまっておいたボストンバッグを取り出し

床の上に散らばった1万円の札束を拾い集めにかかっていた。

完全に狂い始めていた。

「ばか。孝。それだけは止めろ。」

「かあちゃん・・・手術・・・金・・・」

夢遊病者のごとく何度も同じ言葉を繰り返している。

「止めろ。孝。」俺は必死に叫び続ける。

しまった。事態は変な方向へと進んでしまった。

やがてリーダー格の男だけが部屋へと戻って来る。

「どうしたんだ。なんだ。このあり様は。」

散乱している部屋の状況に驚く。

「孝、何やってんだ。お前。それは俺達の金だろ。」

リーダーである男が孝のしていることに気付き押さえ込んで止めに入ろうとする。

「かあちゃん・・・金・・・手術・・・」

孝はリーダーの男をはらいのけ尚も一心不乱に金を集めまくっている。

そんな時である。

「バキューン。」銃声の音。

「オギャーオギャーオギャー。」

今まで扉の向こうで気持ちよく寝ていた赤ん坊が銃声の音に驚き目を覚ます。

「ううっ・・・」今まで気を失っていた奥さんも銃声の音を聞いて覚醒し出す。

全てを眠りから覚まさせた銃声の音と同時に

孝が崩れるようにして床に這いつくばることとなる。

「孝、どうした?」おれが叫ぶと

孝がうずくまって腹を押さえている。

そのあと押さえていた手を自分の体の前に持ってくる。

血だらけで真っ赤に染まった手がそこに・・・

「アニキ、なんで・・・?」孝が力なくつぶやく。

「清二、おまえ・・・なんてことを・・・」

リーダー格の男も扉の方向へ目をやり、力尽きたようにその場にへたり込む。

ポタポタポタ・・・孝の腹からおびただしいほどの血が滴り落ちて

床に大きな円形の血溜まりが出来、

やがてそれが大きく広がる。

「うるせえ。人の名前を気安く呼ぶんじゃねえ。

もうアンタとは、さっきまでで兄弟の契りを解消させてもらうぜ。

今からアンタは、俺とは何の関係もねえただのクソ野郎だ。」

扉の方で声がする。

ふと見上げた先には扉のところで銃を構えているかけ子の清二が立っていたのだった。

つづく

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2020年02月25日

世直しドクター オレオレ詐欺編 第8話

 

「ちょっとアニキぃ~何も今トイレに行かなくても。」

受け子の男は部屋に独りにさせられたことに不安を隠せずオロオロしている。

群れを成せば意気がる受け子も一人になれば実際は

てんで話にならない寂しがり屋であり怖がり屋の僕ちゃんのようである。

「お前、孝って名前なんだな。」

「悪いか。」

見た目からしてかなり若い。大学生といったところである。

バイト料をはずんでやるからと調子のいいこと言われ

巻き添えにされたに違いない。

部屋に残されたのは受け子をやらされている孝という名のこの男と俺、

そしていまだ意識が戻らない奥さんのみとなる。

そんな時

「プルルルルルルン。」

孝の持っているスマホが鳴りだす。

「もしもし、あっ、かあちゃん。ちょっと待っていてくれ。

もう少ししたら金が入るんだ。そしたら手術できるから・・・」

俺に知られたくないのかすばやく電話をきる。

すぐさま何もなかったように俺を見て

話題をすり替える目的で話し始める。

「さっきから横で聞いてれば

うちのアニキ達にテキトーなことばかり言いやがって。

アニキがあんたの言うこと信じる訳ないだろ。

あんたは他人のことばかり気にしてっけど

いまあんたは自分がどういった立場に置かれてるのか考えたほうがいい。

マジやばいのわかってるか?

明日になればあんたは海の底で魚のエサになってるかもしれないんだぜ。

それをあんたはあーだのこーだのとアニキ達に言ってけど。

余計なことばかり言わないほうが身のためだ。

俺にはあんたの言ってることが負け犬の遠吠えにしか聞こえないし。

そんな暇あったら自分の命乞いでもしてるべきだ。」

よく言えたものだ。まるで学芸会だな。その頑張りように少し笑える。

なんとか人を脅すギリギリのラインまできていたと評価すべきか・・・

俺に弱いところを見せまいと必死になっている姿が露骨になる。

俺の話していた言葉にこのままではアニキ達の気持ちが揺らぐかもしれない・・・

そうなればこの組織は解散になると思ったのか

耐えかねて俺に対しカラ元気を出したようだ。

そんなことじゃ俺を倒せない。

コイツには俺を説得するなんてこと永遠に無理だ。

その代わり俺がコイツを操ってやる。

あとひとひねりして俺が威圧的な態度で圧力を加えれば

こいつは俺に従うか最悪頭がおかしくなってここから逃げだすかもしれない。

こいつを真人間にさせるにはその方法しかない。

おれはとっさに判断する。

「ほんとにそう思うか?」

「な、な、何がだよ?」俺の改まった低い声に孝は動揺を隠せずビビっている。

「ちょっとこっち来い。」

「な、なんなんだよ。」

孝はソファーから立ちあがり俺の命令に従って

近くまでおぼつかない感じで歩み寄ってくる。

先生に怒られる直前の生徒のように

ブルブルふるえながら辛うじて自分の足で立っているという有様である。

本当は度胸もない臆病者なのだ。

「ほんとにお前のアニキ達が俺の言うことを信じないと思うか?

そしてお前といつまでもこのままこうしてつるんでいると思うか?

アホなお前には、まだわかってないようだから俺が代わりに説明してやる。

一番警察に捕まる確率の高いのは

お前らのような受け子やかけ子の実行犯なんだぞ。

もし親玉が警察に捕まった時に知らぬ存ぜぬ

そんなこと俺は一切指示した覚えはないと言ったら、

お前いったいどうするよ?」

「そ、そ、そんなことあるもんか。」

「いいか。考えてもみろ。

電話をかけてるのはどいつだ?

金を受け取っているのはどいつだ?

警察が捕まえるのは?

ゆっくりと上の方であぐらをかいている親玉ではなく

現場で忙しく電話をかけているかけ子だったり

金をじかにお年寄りから受け取っている受け子のお前らなんだぞ。

お前なんかどうせ親玉からしてみたら将棋でいうところの捨て駒に過ぎない。

利用するだけのただの便利な脳なしとしか見てないんだ。

そうだな~。警察もアジトに踏み込まない限り

かけ子の現行犯逮捕は難しいとして・・・

と言うことはつまり

かけ子よりも受け子のお前の方が現行犯で捕まえやすいという点から見て

警察は真っ先にお前に目をつけるだろうな。」

「う、嘘だ。」

「嘘なもんか。

警察が動いて捜査にでも入ってみろ。

お前なんかかわいそうなもんだ。

仮に現行犯で捕まえられなくてお前が逃げきれたとしても

警察は防犯カメラなどからしっかりと足取りを掴んでいて

いずれお前をかならずマークするに決まっている。

被害に遭ったお年寄りにお前の顔写真見せて

金を受け取りに来たのはこの男ではなかったですか?と尋ねられたとしたら・・・

尋ねられたお年寄りはきっとこう応えるだろうよ。

受け取りに来たのは確かにこの人でした。と・・・

そしてお前は言い逃れも出来ずブタ箱入り確定というわけだ。」

受け子の男、孝は、このオレオレ詐欺のことを今まで深刻に考えてなかったようである。

これを聞いて

今にもちびりそうな怯えようで全身ブルブル激しく震わせ視線を一点に見つめるでなしに

あっちこっちと様々な方向へ向け目線が定まらずにいる。

じつにこの若者は遊び気分でここに就職したはいいが

上から言われたままを実行して

都合のいいように丸めこまれている従順な受け子のおぼっちゃんなのだということがよくわかる。

この業界は受け子の実態というものは学生である傍ら割のいいアルバイトがあると聞いて

罠にはまりにくるここにいる孝のような本当は心の優しい人間がほとんどなのかもしれない。

警察に捕まって初めてことの重大さに気付き

自分の一生を棒に振ってしまった現実にその時になってようやく気付くのである。

「そんなことになればお前のかあちゃん泣くぞ。

手術する金が無いんだろ?お前が刑務所に入っている間に死ぬかもしれねえな。」

孝は一瞬、なぜ知っているんだというような驚きの表情を見せ思わず息を飲む。

いいか。俺の言ったことよく覚えとけ。

出汁だけ取ったらお前なんかリーダーから見放されてすぐポイよ。

お前が捕まろうが何されようがお構いなし。

それくらいにしかお前は思われていない。

明日になればまた違う使えそうな馬鹿を求人探しで探しているに決まってるさ。

どのみち近いうちにこのアジトも調べられて

お前らは一網打尽になってると思うがな。

いいか。人生お先真っ暗になる前に早く足を洗え。

お前には他にもっと合った仕事というものが必ずある。

もし俺だったら使えねえお前よりもフリスビー咥えて戻って来る犬ころの方が

まだ可愛げがあって従順で扱いやすいし愛着持って接するがな。

親玉もきっと同じこと思ってると思うぜ。」

最後の一言はちょっとコイツにはキツイかなとも思ったのだが

ここまで言わないとコイツは改心しないだろうと踏んでの俺の言動だった。

つづく

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2020年02月20日

世直しドクター オレオレ詐欺編 第7話

 

「うぬぼれるな。警察に捕まる度胸もねえくせに。

 

いいか。善か悪か言う前にお前はお前一人だけの人生じゃないんだぞ。」

 

「どういうことだ?」

 

「お前、一人もんか?」

 

「ああ、そうだ。」

 

「お前はそれでいいかもしれねえがお前に追従している受け子のコイツだったり

 

お前がアニキと慕うコイツの家族はどうなる?

 

お前一人だけで済む話しじゃないんだ。

 

ひとつのことを成す場合、組織を作っている以上

 

連動してそれらのものは動かされてる。

 

ゆくゆくはコイツの嫁さんの人生であったり子供の人生に直結したりする。

 

リーダーであるコイツなんかはそれらを束ねる一家の長としての役目があり

 

まともな道を進んで家族をちゃんと守っていかなきゃいけない義務がある。

 

お前一人なら死のうがどうこうしようが好きにすればいい。

 

でも他人に迷惑をかけたり

 

人と交わり色んなことにおいて依存しなければいけないとなれば状況が違ってくる。

 

一人でも依存する人間が増えれば

 

それはそいつが従えてる家族も含めて一大ファミリーといえるほどの重要性をはらんでくる。

 

それにだ。

 

お前は悪だ。悪だと言ってるが

 

そこまで悪に染まっている人間を心配しすぎなくても

 

やつらは今頃、正義というベルトコンベアに乗せられ

 

レーザーを当てられた時に

 

粗悪品として判断されるや否や

 

脇にはじかれ

 

いやが応でも悪というレッテルを貼られ

 

社会からすでに制裁をうけてるだろうよ。

 

まずお前の言う正義とやらを決めたけりゃ

 

正々堂々とお前ら自身の清廉潔白さってものを示さなきゃいけないってことだ。

 

だから俺の言うことを信じてくれ。

 

こんなろくでもねえことをしてちゃダメだ。

 

お前らは俺の言ってることが

 

よくわかってくれてると思ってる。

 

扉の向こうにいるかわいい赤ん坊が見えるだろ?

 

お前もやがては家庭を持つことになる。

 

そうなるとまっとうな道を進まなければいけないことがわかるはず。

 

あの子のためにも将来を見殺しにしてやるな。

 

受け子のコイツやり―ダ―であるコイツの奥さんのためにも

 

一緒に悪い道にひきづり込むのではなしに

 

お前もどこから見ても恥ずかしくない道を進み

 

真っ向から向かっていけるようなぶれることのない強い気持ちを持って一生懸命働くんだ。

 

いいか。お前らが捕まるようなことになれば

 

ずっとあの子は母親と2人きりで

 

犯罪者の子供と陰口言われながら生きていかなくてはいけなくなるんだぞ。

 

俺の言ってることわかるな?」

 

そんな時である。

 

「ピンポーン」

 

玄関先のチャイムが鳴ったのは・・・

 

家の主でありリーダー格の男がインターホンをとる。

 

「何だ?」

 

液晶画面に画像が映し出され一人の男が立っている。

 

「宅急便です。受け取りお願いします。」

 

「わかった。今そっち行くから。」

 

インターホンを戻すと

 

「おい。いいか。コイツが変な気起こさねえように

 

お前らしっかり見張っとけよ。」

 

と言うと親玉の男は玄関先まで行ってしまう。

 

「了解。」

 

と受け子の男が返事をすると振り返り俺をチラリと見る。

 

かけ子の男は俺の言ったことが響いたのか

 

さきほどとは全くの別人になってしまい

 

何もしゃべることなく元気を失くしてしまっている。

 

「アニキ。どうした?

 

あれだけアニキもコイツに反発してたのに今となっては全然元気ないじゃないか。

 

さっきの元気はどうしたよ?

 

こんな奴にだまされちゃ駄目だ。」

 

受け子の男が元気のなくなったかけ子に対して心配している。

 

突然、かけ子の男は、スッと立ったかと思うと

 

「ちょっと便所に行って来る。孝、しっかり見張っておくんだぞ。

 

充分、今を楽しんでおけ。」

 

と言うとかけ子の男も意味深な言葉を残しその場から消えてしまうのだった。

 

 

つづく

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2020年02月16日

世直しドクター オレオレ詐欺編 第6話

「馬鹿やろう。1億円をその人はどれだけ苦労して貯めてきたのか

お前は考えたことあるのか?

1億なんて大金はそう簡単に1代で貯めれるものじゃあない。

先代から脈々と受け継がれて蓄えられてきたかもしれない財産が

今日に至るケースだってある。

それをお前みたいな赤の他人が

その一族の歴史を断ち切るように奪い去ったかもしれないんだ。

もちろんそれだけじゃあない。

その人が毎日毎日雨が降ろうが風が吹こうが

来る日も来る日も必死になって働いて

ひたすらコツコツと大切に貯めてきた金であったりする。

お前らが一生掛かったって稼げない金を

その人は浪費するのも我慢して必死になって今まで働き続けてきたんだよ。

その金を騙して、お前らはいとも簡単に手にいれやがっった。

そんな生き方してると必ずバチというものがあたるようになってる。

悪は必ず滅びるようになってんだ。

ここまでお前らは、うまくすり抜けて来られたかもしれねえが

今までは単なる運のつきでしかなかったんだぞ。

運のつきはそう長くは続かねえ。

悪いことは言わない。

この先のことを考えて危なっかしい橋を渡らず

安定した道を選べ。」

俺はかけ子の男に対して思いの丈をぶちまける。

「偉そうに言うじゃねえか。じゃあ聞くが正義っていったいなんなんだ。

悪っていったいなんなんだ。

これでも俺は若いころは地道にコツコツと働いてきたさ。

人様が言うように「ちゃんと働く。そうすればいいことが訪れる。」ということを信じてな。

でもちゃんと働いていても給料から上前は撥ねられるしサービス残業になるしで

俺の様な下っ端な人間にはロクな待遇すら与えてもらえなかった。。

世間様の言うように全然「ちゃんとする」って感じじゃなかった。

むしろピンはねしていきやがった上の奴らのほうが上機嫌でいやがったもんさ。

奴らは法の目をすり抜けてるだけで悪どさに関して言えば

今の俺達のしていることにさほど変わらない。むしろ匹敵すると言ってもいい。

それを俺は悔しい思いで眺めるしかなかった。

その時、俺は思ったんだ。正義っていったいなんなんだ。

悪っていったいなんなんだと。

結局は強くないとそれは正義ではなくなってしまう。

ちゃんとしてても金を持ってないと悪になり下がる。

社会から汚ない手を使ってでも勝たないと

俺達みたいなもんは悪と見なされちまうんだよ。

すなわちどんな手段を使ったって

勝てば評価に値するだけの恩賞がもらえるってわけだ。

この社会ってもんは、そういった歪んだ秩序の名のもとに成り立っている。

悪でも勝つと正義になる。たとえ正義でも勝たないと悪とされる。

何も無い正直な腰抜けほどすぐ負けて濡れ衣を着せられ悪となり

図太い奴らほど知恵が回って勝ち抜いて正義となっていく。

正直者が損をして役立たずの悪となることを

おのずとこの世の中の仕組みはそうなっているんだよ。

それが本当の正義の実態じゃないのか。」

そう言うとかけ子は俺に詰め寄る。

つづく

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2020年02月13日

世直しドクター オレオレ詐欺編 第5話

目が覚めるとまず真っ先にズキンとくる走るような痛みが頭を襲う。

慌てて手で押さえようとするが

体の後ろで両手を縄のようなもので縛られているので手で頭を押さえられない。

椅子に座らされている。

隣にも同じようにされている女性が・・・

目を閉じてピクリとも動かない。

開けたままになっている扉の向こうには小さなベッドがあり

赤ん坊が寝息をたててスヤスヤと眠っている。

「気づいたようだな。」亭主とされる男が俺に言う。

「お前、自分の妻に何をした?」

「ん?いいだろ。別に。自分の女房に何したって。死のうが生きようが俺の思うがままだ。」

それぞれ3人の男が椅子、ソファとバラバラに座りながらこちらをみている。

意識が徐々にはっきりしてきて現在の状況がようやくつかめてくる。

「やっと親玉、かけ子、受け子と役者が揃ったようだな。」

俺はアゴでしゃくってみせ

「あんたが親玉のろくでなし亭主だろ。ここの場所を提供しているからな。

そしてさっきトイレに行っていたお前がかけ子。

そして後から来た俺をバットで殴ったお前が受け子。」

「うるせえ。だまれ。」

「むきになるところを見ると図星のようだな。」

「お前いったいなんなんだ。うちの女房に近づいてきて。」

「馬鹿言うな。向こうから相談しにきたんだ。そして俺が話しを聞いてやったという訳さ。」

「いい気なもんだぜ。

図々しくも好き勝手に俺達のなかに首を突っ込みやがって。

相当ひま人なんだな。お前。

仕事は何やってんだ。」

「さっき言った事もう忘れたのか。このボケ。何度も聞くな。俺は世直し請負人。」

「ふざけやがって。この野郎。」

「アニキ、どうします?コイツ。コンクリ詰めて名古屋港に沈めてやりましょうか?」

「まあ待て。」

「いいか。おい。よく聞け。

あんたにはあの向こうの部屋でスヤスヤ寝ている子が大人になるまで

しっかりと面倒みていかなくちゃいけないという親としての責任があるんだぞ。

それをわかっているのか。

さっき自分の女房に散々言われたことも忘れちまったのか。」

「・・・」

「アニキ、どうした?女房、子供のことを言われると

まるで骨抜きされたみたいに腑抜けちまって。もうちょっとしっかりしろよ。

まさかコイツの言うことをマジで信じてるってことはないよな?」

かけ子の男が口をはさむ。

さすがに自分の女房、子供のことを出されると困るらしく

リーダー格の男は肩をすくめて小さくなっている。

[ちっ!!腰抜けが・・・」

舌打ちした後、聞こえるか聞こえないか程度の小声でぼやく。

続いて俺の方に顔を向け

「おい。世直し請負人とやら。

金を掴むということがどれほど大変かわかっているからこそ

こうして俺達は悪どい事をしてでも逃げに回っているんだ。

言っとくがな。

こうしなければ俺達が生きていくことができない世の中に必然的になってんだよ。

まったく・・・

いったいそれは誰がした?と言いたくなるぜ。

考えてもみろ。

サラリーマンが苦労して一年でようやく稼ぐことが出来る金を

俺達はわずか1時間で稼ぐことが出来るんだ。

コツコツ稼ぐことがどんなにアホらしいことか。

この前なんかどこにも身寄りもねえ寂しそうにしているババアだったが

ありもしねえ法律ちらつかせ騙してやったら

1億円を数回に分けてポンッポンッポンッと出しやがったよ。

これを聞いてどう思う?俺達ばかりが悪いのか?

金を払う側にも非が無いとは決して言えないとは思うがな。

この世の中はチンタラしてると

いつ生き馬の目を抜かれるとも限らない世の中だ。

それを俺達は油断してるアホな奴に世の中はそんなに甘くねえってことを教えてるだけよ。

だけどよ。金を持ってるもんだな。年寄りってもんは。全く驚くぜ。

それでこそ騙し甲斐があるってもんだ。

宝くじ買うよりも比べ物にならねえくらい確率が高い。

こんなおもしれえ仕事。他にあるか?

最高じゃねえか。俺達は簡単に夢を掴むことが出来るんだ。

これのどこが悪い。

俺達に騙される馬鹿が悪いんだよ。馬鹿が。」

呆れるほど開き直っていて

なんら悪びれる様子もなくシャアシャアと話すこの冷酷な男に対して

俺は感情を抑えることが出来ず怒りが沸点に達し

身ぶるいせずにはいられなかった。

つづく

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南安城整骨院・接骨院のおもしろい院長ブログ

安城市にございます南安城整骨院では、院長がブログを配信中です。院内の出来事や治療の事、お体の事、あるいは日常のちょっとした出来事などを綴っておりますが、ご覧いただいている常連の患者様などからは、文学調で面白いとか、エッセイを読んでいるようだとの感想を頂戴しております。
単に痛みの話や交通事故治療の話を語り、南安城整骨院・接骨院にいらしてくださいというのではなく、どこか小説を読んでいるような面白さでございます。是非一度、ご覧いただき、院長の成りや人柄、考え方に触れていただければ幸いです。
整骨院・接骨院での治療は直接お体に触れ、患部の症状を和らげていきます。そのため、やはり施術する人がどんな人であるのかは、患者様の関心事でございます。ブログを見て、この人なら任せられると思った方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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