2021年03月09日

ボンベレスダイブ104

 

その行動が大男の機嫌を損ねることになってしまったのか急に真顔になってしまう。後ろに隠していた手を自分の体の前に持ってくる。何かはわからなかったが大男の持っていたものが光に照らされ一瞬キラリと光ったのだ。それはナイフだった。ブスリ。鈍い音が家中に響く。突然の出来事。怒ったことによる大男の次なる動作は速かった。手に持っていたナイフは明の頭へと伸びていった。左こめかみを狙った刃渡り30cmのランボーナイフは脳を突き抜け右こめかみへと貫通していき明の頭は串刺し状態になっていた。ほぼ即死だった。大男は尚もランボーナイフを上下に揺すったあと手前に傾け90度捻るように回転させていった。すると明の両まぶたが膨れ上がりまるでピンポン球が弾き出されるように2つの眼球がゴロリと床に転がったのである。大男は童心にかえったように景品でも獲得した気分で喜び大はしゃぎしている。人を殺すということはこの大男にとってゲーム感覚と言っていい程、遊びの一つと言う認識を持っているのかもしれない。それは誰が見ても見るに耐えないおぞましい光景だった。次の瞬間、間髪入れず刃渡り30cmのランボーナイフが振り下ろされ首や腕など数箇所、メッタ刺しにしていた。最後の一撃は、頭部にグイッと振り下ろされた一撃で終わる。

あまりに深く入ったため、身長2mの男でも引き抜くことが困難になり、

無理に引き抜こうとしたところ、ナイフの先端部分が途中で折れてしまった。

階段上部で起こった惨劇だったが、なんと明は、無数に刺され終わった直後、階段の下へ真っ逆さまに転げ落ちていた。

ガタガタガタガタッドッスン!

二階の寝室で寝ていた妻と八歳の娘が、その音に気づくことになる。

「お母さん。今、何か物凄い音しなかった?」

「うん。聞こえたわよ。何かしらねえ?ちょっと、見てくるから、ここにいて。」

「嫌だ。一人にしないで。私も一緒に行くから。怖いじゃないの。」

置いてきぼりにされることを嫌がった娘は、母親と一緒に、音のした方へと向かう。

「あなたなの?」

ドアを開け、妻は叫んでみる。返事はない。

階段に向かい歩いてみる。

踊り場まできてみる。すると、階段横にある窓ガラスが割られ窓が開いているのに気づく。

あれ?おかしい?なぜ、開いているんだろう?しかも窓ガラスが割られてる・・・

そんな時、階段下から、猛烈な勢いで階段を駆け上ってくる黒い物体に気づく。

「どうかしたの?あなた。」

妻もこれを、夫と見間違えてしまう。

「あっ」と思った次の瞬間、妻も娘も、その場で、首や顔などをメッタ刺しにされてしまう。

ブスッブスッブスッブスッ

 

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2021年03月02日

ボンベレスダイブ103

男の身長は2mあった。明はその情景を見てあまりの勢いに圧倒され怯んでしまう。殺される。明の脳裏に浮かぶのはこの言葉ただ一つ。死へのカウントダウンの選択を余儀なくされるのは言うまでもない。でもどうにかしてこの場から逃げたいのが本音である。実行に移したいが膝がガクガクして体がどうにも思うように言う事を聞かない。凍り付いたように動かなくなっている。今まさに絶体絶命。奈落の底へと突き落とされる様、床に大きな穴が開き地獄への入り口が今か今かと待ち構えている状態なのだ。ところがである。大男はそんな瀬戸際に立たされている明を襲うどころか物静かにニタニタ笑っていた。暗闇でギョロリと動き回っていた目の玉が今は三日月状に変化し光を失ってはいたが、全開になった口元が歯茎までむき出しになって前歯が唾液の潤いによってギラギラと怪しく光り輝いていた。大男は明をもてあそんでいるようだった。この状況なら何とか逃げ切れるかもしれない。明は瞬時に思う。何しろ相手は笑っているのだから不可能とは言えなくもない。でもこんな状況でよく笑っていられるものだ。気持ち悪いとしか言いようがない。常軌を逸した大男の行動に疑念を抱きつつも兎に角この場を逃れたいと明は必死だった。ゲキリンに触れる事無く上手くおだててやり過ごせば、単純そうなこの大男のこと。ここから逃げ切れるかもしれない。どうしたものか?せわしなく明の頭が回り始める。明の問いかけにも大男は一切ただただ明の顔を見ては面白がっている様子で常に絶え間なくニタニタ笑っているのだ。まともな意識はこの男には存在するのだろうか?大男は以前から明とは知り合いなんだと言わんばかりの態度で馴れ馴れしくスキンシップを図ろうとしていた。事実、2人は今回会うことが初めてで知り合いでも何でもなかった。大男は明の頭へと手を伸ばし頭上に手を乗せ始めた。その大きな手に明の頭は3分の1すっぽり包まれてしまう。しばらくすると手慣れた手つきでポンポンポンと2、3回明の頭を軽く叩き始める。ボールと見立ててドリブルでもするかのように明の頭をもてあそんでいた。はたから見ると軽く触っているようにも見えるが実の所、明の首は頭を圧迫されたことによりグキグキと唸り声をあげながら頭がちぎれるのではないかと思われるほどかなり強い衝撃を首に受けていた。大男は尚も何も言葉を発せず微笑んだまま無言での動作が続いていた。このままではまずい。明の脳裏をかすめる。どうにかしてここから早く逃げ出さないと。ここにいたら挙句の果てはコイツに拷問に近い形で殺されるかもしれない。明は、ほうきとチリトリ両方を左手に持ち変えると右手を大男からはわからないように階段の手すりに置いていた。こうすれば体の支持がしっかりして重心も幾分安定する。どうやら大男は気付いていないみたいだ。あとは今履いているスリッパが足手まといとなるため脱がないことには邪魔になって仕方ない。脱いでしまえば手に持った階段の手すりを軸にして反動をつけて階段の下まで一足飛びにジャンプすればなんとかこの大男から逃げ切れるかもしれない。そう考え明は今履いているスリッパを脱ごうと試みたのだった。ところがスリッパは軽すぎて明の足に纏わりついてナカナカ離れようとしない。仕方ないので片足を持ち上げスリッパを振り落とそうとしたまさにその時だった。大男はそれを見逃さなかったのである。

 

 

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2021年02月27日

ボンベレスダイブ102

 

ここは東京にある一軒家

俺の弟、明は、一階で前日の仕事の残りを処理するためパソコンに向かっていた時だった。突然、何やら二階で物音がし人の気配を感じ取ると同時にガシャンというガラスの割れる音をその時聞いたんだ・・・時計を見ると、午前2時。あれっ?おかしいな?もう妻と子供はとっくに寝たはずなのに。こんな時間まで起きてるなんて「お~い、和美。まだ起きているのか?」呼んでも返事がない。おかしいな?今の物音はなんだったんだろう?推測できるのは、おそらく妻が途中で起きてきて喉が渇いたかで冷蔵庫にある冷たい水を飲みに1階にまで下りてきたんだろう。そして物が割れたというのは、きっと寝ぼけているので2階に上がる途中で手に持っていたコップを何かの拍子に誤って床に落として割ってしまったに違いない。と考えた。「大丈夫か?割れた破片は気を付けて扱わないと手を切ったりして怪我するから危ないぞ。」と言いながら弟の奴は1階にあったほうきとチリトリを持つと慌てて二階に上がっていこうとする。階段の下のところまで来た時に、見上げると暗闇の中、ちょうど階段の上あたりで黒い物体がうごめいているのがわかる。「なんだ。どうした?まだそこに居たのか?」いつもの妻の行動ならテキパキとしていて、いつまでもその場に滞在することなどあり得ないと思ったのである。今の音はコップが割れた音ではなかったのか?なら今の音は何だったんだ?あるいは割れた破片を素手で今、無謀にも拾っている最中だったのか。きっと起き抜けで人の問いかけにも応じないほど思考回路がそこまで回っていないのだろう。「俺が割れた破片は今から片付けるから君は部屋に戻って寝てなさい。俺は仕事を終わらせるために、もう少しパソコンに向かうから。」明はその物体が、妻であるとずっと思っていて話しかけながら階段をのぼり、上まで登りきる。徐々にうごめく黒い物体に近づくにつれて横幅もかなりあり妻よりも遥かに大きい物体なことに気づく。ミッシミッシと床がたわむ音がその物体から発生する。その音がその者におけるかなりの重量感を表現している。うごめく物体がこちらに徐々に近づいてきているのだ。その状況から判断して恐る恐る中腰姿勢のまま後ずさりしながらこちらに近づいているように見受けられた。「おい。貴様誰だ。」明は妻とは全く違う人間がそこにいるのを素早く察知すると、手に持っていたほうきをしっかりと携え身構えに入る。ほうきとチリトリではこの計り知れない暗闇の物体と対戦するにはとても太刀打ち出来ないことはわかっていたが、この状況からして装備を強靭にするため改めて引き返すというバカなことは出来ないと分かっていたので、にわかにこしらえた貧弱な鉾と剣の装備品だけで何とか自分のガードを固めてみようとする。すると明の胸のあたりの高さでうごめいていた陰影が急にワッと巨大になったかと思うと明の遥か頭上の位置にまで達し暗闇の中で2つの目がギョロリと動いてお互いに焦点と焦点が結びつく形で明と目が合ってしまう。その物体の動作からしてどうやら暗闇で急に立ち止まると明の呼びかけに対し、応える感じで振り向き頭を明の方へと向けたのが暗闇で起こった一連の動作だった。ふと前方に目をやった明は凍り付いた。それは人が床に倒れていておびただしいほどの鮮血が床を埋め尽くしていたのだった。

 

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2021年02月23日

ボンベレスダイブ101

トラックは首都高から東名高速に乗ろうとしていた。ようやく名古屋、大阪方面に進むことが出来る。進行方向に向け、舵をとれることに僕たちは、ホッと胸を撫で下ろしていた。

そんな時だった。

「俺の弟がよ~。」いきなりトラックを運転する植村が話しかける。

「えっ?」

「俺の弟・・・」

「・・・」

「俺の弟はなあ~。いい奴だったんだよ。」

「はい・・・」

的を得ず突然話してくるから、とても気を使うし、どう受け答えしていったらいいか、皆目見当もつかない。またしばらくの沈黙。話題になりそうなものを考えていると

「実にいい奴だった。いい奴だったし、いい家庭を持っていたんだ。」

勝手に自分の身内話を話し始める。

「はい~。」

また沈黙。僕は対処するのに困ってしまう。

ん?待てよ?今、いい奴だった。って聞いたような気がする。

ってことは・・・

「いつも、ここを通るたびに、湿っぽくなっていけねえや。」

僕が植村の顔を見た時、手で目のあたりをぬぐっている所だった。そして頬を見た時、涙で濡れているのが判った。鼻をすする音。この場所が植村にとってよほど忘れることが出来ない場所なのだろうということは簡単に推測できる。

プシューーー

小気味よい音がしたほうに目をやると、運転席からビールが勢いよくプルトップの周りで泡を出していた。なんか嫌な予感。少し酒臭い。

明らかに今からヤバいことをしようとしている。

飲酒運転でもしないとこの道を通る度、当人からすれば気持ちが修まらないのかもしれないが助手席に座らされてる僕達からすれば事故死するかもしれないという不安が常につきまとうことになる。

「あれは、その年が終わろうとする暮れも押し迫った頃だった・・・」

植村は語り口調で話し始めていた。

到底シラフの状態でこの話を他人である僕達に向けて話すにはかなり酷なのかもしれないが、だからと言って飲酒運転していいということにはならない。

これは明らかに常軌を逸している。

そうは思っても僕たちは、何はともあれ真剣に植村の今から話すその話の内容を聞きながら情景を頭に思い浮かべていた。

 

 

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2021年02月20日

ボンベレスダイブ100

とうとうきたか。来るかも知れないとビクビクしながら待っていた悪い知らせ。この運転手のおやじ、僕たちを最初から誘拐して殺す目的で乗せていたんだ。やっぱりそうだったか。どいつもこいつも悪党ばかりだ。

さっきは上手く逃げ切れたが今回のケースではもう駄目になる確率が高い。この逃げ場の無い助手席に座らされている状況からして、そんな予感がしていたんだ。1回目の人身売買させられそうになった事といい今回の誘拐殺人といい、なんて僕たちはついてないんだ。結局、僕たちは死ぬ運命にあったということだ。なんと短い人生だったことか。そう思った瞬間、悲しい思いで胸が一杯になった。予想はしていた出来事ではあるが、実際に目前に迫っている死の存在を意識すると、いさぎよく死ぬという事は、かなり勇気のいる行為となる。でもこうなった以上仕方ない。決められた運命に従うまでだ。最初からあらかじめこうなるかもしれないと決めていた事だ。しかも自分たちが勝手に決めた事。これ以上執念深く生きるということに執着できない。胃のあたりでモヤモヤしていた軽い痛みのようなものが薄らいできたような気がする。諦めの境地というものに段々なっていくと共にブルブル震えていた体が度を越した度胸へと代わり怖さが徐々に消えていくように感じた。もうどうなろうと僕達がどうあがいたって運命は決まっている。最後は死だ。死しかないんだ。

なんなりとあんたの好きなように僕たちを煮るなり焼くなりして血祭りにあげるがいい。

体の内部に仕組まれた部品の一部が欠落したのかと自分でも思う程、ガタンガタンと錆びついた関節をきしませながら必要最低限の生命維持しているのが今の僕達の状況だった。怖がるだけ損な気がする。これ以上考えることは止めにしよう。もう怯えないし、ひるまない。怖さも消えた。

どうせやるなら、ひと思いに、一気に殺してくれってんだ。

「俺たちのボンベレスダイブは目的果たせぬまま死ぬ運命だった。それならそれでいい。」

そう僕は自分に向け心の中で呟いた時だった。

「と、もし俺が言ったら、どうする?」

なんだ。冗談かよ。おっさん。冗談にしては、きつい。「ふぅ~」という安心したため息が一気にもれた。今の言葉、今の僕たちには禁句中の禁句。あーびっくりした。脅かすなよ、全く。

「駄目じゃないか。こんな無茶な危ないことをしては。お前たちは、まだ若いんだからな。大切な将来が控えている。もっと自分を大切にしろ。わかったか?」そう言うと運転手のおやじは僕の肩をパシンッと勢いよく叩いたのだった。

「はい。」1発激しく活を入れられ弾むように僕達は助かったことの感謝を含め答えた。しばらく、沈黙が続いた。

トラックは、あれだけ渋滞していた首都高をようやく通り抜けようとしていた。

ここまで、高速にのってすでに二時間が経過しようとしている。

 

 

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南安城整骨院・接骨院のおもしろい院長ブログ

安城市にございます南安城整骨院では、院長がブログを配信中です。院内の出来事や治療の事、お体の事、あるいは日常のちょっとした出来事などを綴っておりますが、ご覧いただいている常連の患者様などからは、文学調で面白いとか、エッセイを読んでいるようだとの感想を頂戴しております。
単に痛みの話や交通事故治療の話を語り、南安城整骨院・接骨院にいらしてくださいというのではなく、どこか小説を読んでいるような面白さでございます。是非一度、ご覧いただき、院長の成りや人柄、考え方に触れていただければ幸いです。
整骨院・接骨院での治療は直接お体に触れ、患部の症状を和らげていきます。そのため、やはり施術する人がどんな人であるのかは、患者様の関心事でございます。ブログを見て、この人なら任せられると思った方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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