2020年03月10日

世直しドクター オレオレ詐欺編 第12話

 

 

 

 

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2020年03月07日

世直しドクター オレオレ詐欺編 第11話

一発一発がこたえる。

清二のパンチが俺の腹に3発ワンツースリーしたかと思うと

顔に向けさらにワンツースリー。

最初の頃はなんともなかったが、

今になって一発一発の重みが体へ直に伝わってきて

表面を殴られるというより1発1発殴られる度、

痛みがズキンと身体の奥の方までしみわたるようになってきていた。

もう小一時間ほどパンチを清二から受けただろうか。

口の中は至るところが切れて血だらけになっていて

腹を殴られる度、おそらく肋骨が折れているのだろう・・・

ズキンとする電流が走ったような痛みが生じ

胃からくる血の塊が逆流して血ヘドとなって口からだらだら流れていた。

バシャッ。

俺が気を失いそうになると水をかけられ

すぐさま正気に戻された。

果てしなく拷問は続く。

映画ロッキーのように両目はボンボンに腫れ上がり

全体の視野の10パーセントほどしか見ることが出来なくなっている。

顔は見せられないほどに、むくんでいて

清二の拳が炸裂する度、

顔面の皮膚に拳が埋まっていくほどボンボンに腫れあがっている。

両方の鼻から鼻血がしたたり落ちて、息がしづらい状況になっている。

さすがに腕に自信のある俺の体も

これだけサンドバックにされ

数かぎりなく殴られれば

沈黙の悲鳴をあげずにはいられない。我慢にも限界がある。

まさに生き地獄。苦しい。

「どうだ。痛いか。ドクター。

患者の気持ちがよくわかるってもんだ。

ここに来たことを後悔するだろ。」

それみたことか。と言わんばかりに

何度も殴り続けている清二は俺を嘲笑うかのように言う。

言葉を言おうとするも口の中が血の海になっていて上手に言えない。

「こ…ろ…せ…」

「何?今、何か言ったか?」清二が顔を近づけてくる。

ペッ

清二の顔に向け残っている力を全て振り絞るように血の混じったつばを吐いてやる。

「この野郎。ふさけやがって。こんなになってもまだ意気がってやがる。

もう許さねえ。死ぬまで、とことん殴り続けてやるからな。」

そう言うと果てしなくパンチの嵐は続く。

終わる気配を微塵も感じさせない。

ふとそんな中、こんな瀕死の状態になっているにも拘わらず

おかしなことだが俺の頭の中には死んだ親父の言葉が思い出となり蘇ってきていた。

「いいか。鷹之。何かことが生じた時、いつもこうなった以上仕方ないと思え。」

これがうちの親父の言葉だった。

「仕方ない・・・

ただ大事なのはな。この後だ。たとえ大惨事にみまわれようとも

でもお前ならできる。諦めずやってみろと思うか、

このままやってても同じことだ。仕方ない。諦めろ・・・

どう思うかによって大きく道は分かれる。

それによってお前の生き方もこの先どう躍進するかにかかってくる。

すなわちお前の考え方一つなんだ。

いつまでたっても仕方ないという言葉で始まり

この後もどうせ何をやっても仕方ないで終わるような

進歩のない諦めの境地に達した後者になったらお前の生き方もそこまでなんだと思うしかない。

ではなく

たとえ限りなく限界に近づいたとしても希望を持ち続けること。

鷹之。人生ってものはな。1度しかないんだ。

こうだと決めたら何があろうとも突き進め。

仮にそれが死ぬ寸前になって瀕死の状態になろうともだ。

ロウソクの火ってもんはな。

無くなる寸前になると

一瞬だけだが全生命力を使い果たすように

パッと

大きさも明るさも倍増するんだ。

それは、はかなくもあり美しくもある。

お前もそんな風に生きてみろ。

それで早く死ぬようなことになったとしても仕方ない。

自分が出来る限界まで突進するんだ。

役にたったのなら、それが美徳となる。

それがお前に与えられた使命と考え

自分で決めたことは、とことん突き進んで

後悔のないよう大輪の花を咲かせてこい。

大丈夫だ。くじけそうな時は父さんがいつでもあの世から見守っておいてやるから。

人は躍進してこそ生きる価値がある。いいな。」

当時、死というものが親父の身に近づく中

病床にありながらも力強く俺へ向け力説していた親父の言葉が脳裏にちらつく。

親父にとってあれが最後のロウソクのようにパッと大きくなった瞬間だったかもしれない。

俺が今ここで諦めてしまってはいけない。

こいつらをなんとしても悪の道から引き戻してやらなくては。

「わかってるさ。親父・・・」

俺は心の中でそうつぶやく。

抱いていた一つの希望が今まさに一筋の光明となって

スポットライトを通して放射され

俺の体全体にエネルギーが行き渡るように射し込んでいた。

つづく

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2020年03月04日

世直しドクター オレオレ詐欺編 第10話

 

「清二君、こんなことするのもう止めて。」

 

意識が戻った奥さんだけが縄を解かれ

 

ソファに座らされ赤ん坊に母乳を与える許可が下りたのだった。

 

代わりに今までリーダー役だった親玉の亭主が縄に繋がれ奥さんの座っていた椅子に

 

交代で座らされていた。

 

「清二・・・おまえ・・・」

 

「動くな。動くとお前も孝と同じ道歩むことになるぜ。

 

もうアニキ分でも何でもねえんだから。」

 

「どうしてこんなことをする?俺達は仲間じゃないのか?」

 

「仲間?馬鹿言うな。急に正義面するなよ。

 

仲間と呼べるような事を俺達は今までしてきたか?

 

いずれはこういう時がくると俺は予測してたんだ。

 

所詮ここにある金だって人を騙した金だろうが・・・

 

俺達が絆を求めるなんてありえねぇ話だ。

 

騙してなんぼの世界で生きてる俺達には

 

仲間内でも結局は騙してなんぼという方程式が成り立つ。

 

今更、綺麗ごと言ったって嘘で塗り固めてきたことには変わりはねぇ。

 

もう今となってはお前らは俺にとってお荷物になって邪魔なだけだ。

 

うっとうしいんだよ。何かと言うと女房、子供を理由に出しやがって。

 

なにがかあちゃんの手術費だ。

 

そんなのにこの俺がつきあってられるかってんだ。あほらしい。

 

もう俺はそういったことに飽き飽きなんだ。

 

なんで俺がそんな奴らの面倒までみなきゃならねえんだ。

 

冗談じゃねえ。俺は自分さえ良きゃいいんだ。」

 

「なあ頼む。孝だけでも病院に送ってやれ。

 

じゃないと出血多量で死んじまうぞ。」

 

俺は居ても立ってもいられず清二に忠告する。

 

「だまれ。だれの指示も俺は受けねぇ。」

 

孝も同じようにソファに座らされ、

 

傷口をハンカチでふさぎ痛そうに顔を歪めている。

 

まずい。このままでは。

 

なんとかしなくては・・・

 

このままでは本当に孝は出血性ショックで死んでしまう。

 

とにかく両手を縛られているこの縄をなんとか外さなくては。

 

俺はどうしたら外すことが出来るのかを考えあぐねていた。

 

ライター・・・それは左胸ポケットにタバコと一緒に入れてある。

 

取りだすことは不可能。

 

ジーンズの後ろポケットには財布が入れてあるだけ・・・

 

なんとかこれを利用できないものか。

 

清二に見つからないように、そぉーっと取りだすことを試みてみる。

 

大丈夫だ。取りだすことが出来た。

 

さて。このあとどうするかだ。

 

小銭を取りだし周りのギザギザで縄を切れないものかと考えて見る。

 

幼稚っぽい考えかもしれないがとにかく試すしかない。他に方法はないのだから。

 

その時である。

 

「チャリン。」

 

手が滑って財布が床に落下し

 

チャックの空いた隙間から小銭が躍り出ることとなる。

 

しまった・・・

 

清二がその異変に気付く。

 

「なんだ。」

 

落ちたものが財布だとわかると

 

ゆっくりと俺の顔色を伺いながら歩み寄ってくる・・・

 

明らかに清二は俺を疑っているようで警戒を緩めない。

 

俺の背後に回ると落下した財布を拾い上げる。

 

清二は事務机まで戻りゆっくりと財布に入っている紙幣を数えだす。

 

「えーっと1万円札が1枚、2枚・・・」

 

と言ったところで清二は思わず黙ってしまう。

 

俺は何事もおこらないことをただただ祈る。

 

「どういうことだ。」思わず部屋中に響き渡る大声で怒鳴る。

 

清二は声を震わせながら眼光鋭く俺を睨みつける。

 

「医者がなぜここにいる?なぜ俺達に接触しようとした?

 

お前いったい何が目的だ?なにをたくらんでる?」

 

疑問に思ったことが語気を強め次から次へと出てくる。

 

「待って。その人は私が連れてきたの。」

 

「そんなの信用出来るか!!!」

 

きっと質問に真面目に一つ一つ応えていたとしても

 

いきりたっているこいつに何を言っても無駄であろうことは一目瞭然でわかる。

 

他の2人の男達も驚いて俺の顔を凝視する。

 

「だから言ってんだろ。世直し請負人だって。」

 

無駄だと思うが言うだけは言ってみる。

 

「うるせえ。だまれ。なに間抜けたこと言ってんだ。おまえ。

 

もう許さねえ。俺を騙そうたってそうはいかねえ。」

 

そう言うと清二は俺の目の前まで再び歩み寄る。

 

まるでハゲタカが生肉の臭いにひきつけられ

 

むさぼるように急いで寄って来る貪欲さがひしひしと伝わって来る。

 

「さっきはあーだのこーだとかっこいいことばかり言いやがって。

 

俺を思い通りに言いくるめようとしたかもしれねえが、そうは問屋が卸さねえからな。

 

ゆっくりといたぶって殺すようにしねえと俺としては腹の虫がおさまらねえ。

 

2度とさっき言ったような言葉が出ねえように俺が地獄に送ってやる。

 

あとになって吠えずらかくなよ。

 

それにだ。

 

こうなった以上、俺がお前ら全員一人一人順番に血祭りにあげてやる。

 

全員雁首揃えて待ってろ。

 

まず最初は殴り甲斐のあるコイツからだ。

 

手加減しねえからな。覚悟しろ。」

 

そう言うと

 

清二は俺の目の前で殴る態勢を整え始めた。

 

そしてまず1発。

 

「ブルンッ」

 

清二の弓のようにしなる腕から繰り出されたストレートパンチは

 

空中で風を切るような音を発し、俺の右頬にみごとにクリーンヒットする。

 

グワンと俺の頭が後ろへ傾き、清二の放った1発で鼻血が出ることとなる。

 

なすがまま。

 

ここまできたらいさぎよく洗礼を受けるしかない。

 

それから約1時間、繋がれたままになって抵抗できない俺に対して

 

いつ尽きるとも知れない果てしなく続く激しいパンチを

 

俺は受け続けるしかなかったのだった。

 

つづく

 

docter

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2020年02月29日

世直しドクター オレオレ」詐欺編 第9話

 

俺からキツイひと言を言われた孝は

気が動転して狂ったように暴れ出していた。

事務机の上に乗っていたコーラの瓶だったり空き缶だったり

食べかけのポテトチップスの袋を

両手で払い落とし床の上に散乱させた。

乱雑に積み上げられていた1万円の札束も

ざっと五千万円はあろうかと思うほどの量を

払いのけ床の上に散らばらせていた。

「あ~もぉうるさい。うるさい。黙れ。黙れ。黙ってくれ。それ以上言ったらぶっ殺す。

俺を馬鹿扱いしやがって。

そうはいかない・・・そうはいかないからな。

何がフリスビー咥えて戻って来る犬だ。

なんだ?俺は犬以下ってことか?」

「そうだ。」俺は薄笑い浮かべながら躊躇なく応えてやる。

「はっはっは。よくわかってるじゃねえか。」

孝に向けさらに高笑いしてやる。

俺にさんざんコケ下ろされても返す言葉が見つからず

頭を押さえながら馬鹿な男を悔しいが演じるしかない。

どうやら俺の推測したようにこの場から逃げるということはしないみたいだ。

まあそれもそうだ。アニキ達から、「この場を離れるな」と

犬の「おすわり」を命ぜられているのだから。

これで少しでも身に沁みてこの仕事から手をひいてくれるだろうと俺は思っていた。

その時である。

「くそぉ~」突然、孝が狂ったように大声を出す。

「うわぁ~」頭をかかえ奇声を発する。

そのあと虚空を見つめたかと思うと呆然と立ちすくむ。

2転3転と仕草が変わっていく。

やがて独りごとをなにやらブツブツつぶやき始める。

明らかにあぶない奴になっている。

「リーダー・・・逮捕されない・・・かけ子・・・現行犯・・・逮捕されない・・・

受け子・・・俺・・・現行犯逮捕・・・罪・・・すべて・・・かぶせられる・・・」

薬物患者みたいに急に言葉を羅列しはじめ呪文のように唱えだしたのである。

「金ない・・・かあちゃん・・・手術・・・できない・・・」

「そうだ」何かを思い付いたようにつぶやくと

孝は事務机の下にしまっておいたボストンバッグを取り出し

床の上に散らばった1万円の札束を拾い集めにかかっていた。

完全に狂い始めていた。

「ばか。孝。それだけは止めろ。」

「かあちゃん・・・手術・・・金・・・」

夢遊病者のごとく何度も同じ言葉を繰り返している。

「止めろ。孝。」俺は必死に叫び続ける。

しまった。事態は変な方向へと進んでしまった。

やがてリーダー格の男だけが部屋へと戻って来る。

「どうしたんだ。なんだ。このあり様は。」

散乱している部屋の状況に驚く。

「孝、何やってんだ。お前。それは俺達の金だろ。」

リーダーである男が孝のしていることに気付き押さえ込んで止めに入ろうとする。

「かあちゃん・・・金・・・手術・・・」

孝はリーダーの男をはらいのけ尚も一心不乱に金を集めまくっている。

そんな時である。

「バキューン。」銃声の音。

「オギャーオギャーオギャー。」

今まで扉の向こうで気持ちよく寝ていた赤ん坊が銃声の音に驚き目を覚ます。

「ううっ・・・」今まで気を失っていた奥さんも銃声の音を聞いて覚醒し出す。

全てを眠りから覚まさせた銃声の音と同時に

孝が崩れるようにして床に這いつくばることとなる。

「孝、どうした?」おれが叫ぶと

孝がうずくまって腹を押さえている。

そのあと押さえていた手を自分の体の前に持ってくる。

血だらけで真っ赤に染まった手がそこに・・・

「アニキ、なんで・・・?」孝が力なくつぶやく。

「清二、おまえ・・・なんてことを・・・」

リーダー格の男も扉の方向へ目をやり、力尽きたようにその場にへたり込む。

ポタポタポタ・・・孝の腹からおびただしいほどの血が滴り落ちて

床に大きな円形の血溜まりが出来、

やがてそれが大きく広がる。

「うるせえ。人の名前を気安く呼ぶんじゃねえ。

もうアンタとは、さっきまでで兄弟の契りを解消させてもらうぜ。

今からアンタは、俺とは何の関係もねえただのクソ野郎だ。」

扉の方で声がする。

ふと見上げた先には扉のところで銃を構えているかけ子の清二が立っていたのだった。

つづく

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2020年02月25日

世直しドクター オレオレ詐欺編 第8話

 

「ちょっとアニキぃ~何も今トイレに行かなくても。」

受け子の男は部屋に独りにさせられたことに不安を隠せずオロオロしている。

群れを成せば意気がる受け子も一人になれば実際は

てんで話にならない寂しがり屋であり怖がり屋の僕ちゃんのようである。

「お前、孝って名前なんだな。」

「悪いか。」

見た目からしてかなり若い。大学生といったところである。

バイト料をはずんでやるからと調子のいいこと言われ

巻き添えにされたに違いない。

部屋に残されたのは受け子をやらされている孝という名のこの男と俺、

そしていまだ意識が戻らない奥さんのみとなる。

そんな時

「プルルルルルルン。」

孝の持っているスマホが鳴りだす。

「もしもし、あっ、かあちゃん。ちょっと待っていてくれ。

もう少ししたら金が入るんだ。そしたら手術できるから・・・」

俺に知られたくないのかすばやく電話をきる。

すぐさま何もなかったように俺を見て

話題をすり替える目的で話し始める。

「さっきから横で聞いてれば

うちのアニキ達にテキトーなことばかり言いやがって。

アニキがあんたの言うこと信じる訳ないだろ。

あんたは他人のことばかり気にしてっけど

いまあんたは自分がどういった立場に置かれてるのか考えたほうがいい。

マジやばいのわかってるか?

明日になればあんたは海の底で魚のエサになってるかもしれないんだぜ。

それをあんたはあーだのこーだのとアニキ達に言ってけど。

余計なことばかり言わないほうが身のためだ。

俺にはあんたの言ってることが負け犬の遠吠えにしか聞こえないし。

そんな暇あったら自分の命乞いでもしてるべきだ。」

よく言えたものだ。まるで学芸会だな。その頑張りように少し笑える。

なんとか人を脅すギリギリのラインまできていたと評価すべきか・・・

俺に弱いところを見せまいと必死になっている姿が露骨になる。

俺の話していた言葉にこのままではアニキ達の気持ちが揺らぐかもしれない・・・

そうなればこの組織は解散になると思ったのか

耐えかねて俺に対しカラ元気を出したようだ。

そんなことじゃ俺を倒せない。

コイツには俺を説得するなんてこと永遠に無理だ。

その代わり俺がコイツを操ってやる。

あとひとひねりして俺が威圧的な態度で圧力を加えれば

こいつは俺に従うか最悪頭がおかしくなってここから逃げだすかもしれない。

こいつを真人間にさせるにはその方法しかない。

おれはとっさに判断する。

「ほんとにそう思うか?」

「な、な、何がだよ?」俺の改まった低い声に孝は動揺を隠せずビビっている。

「ちょっとこっち来い。」

「な、なんなんだよ。」

孝はソファーから立ちあがり俺の命令に従って

近くまでおぼつかない感じで歩み寄ってくる。

先生に怒られる直前の生徒のように

ブルブルふるえながら辛うじて自分の足で立っているという有様である。

本当は度胸もない臆病者なのだ。

「ほんとにお前のアニキ達が俺の言うことを信じないと思うか?

そしてお前といつまでもこのままこうしてつるんでいると思うか?

アホなお前には、まだわかってないようだから俺が代わりに説明してやる。

一番警察に捕まる確率の高いのは

お前らのような受け子やかけ子の実行犯なんだぞ。

もし親玉が警察に捕まった時に知らぬ存ぜぬ

そんなこと俺は一切指示した覚えはないと言ったら、

お前いったいどうするよ?」

「そ、そ、そんなことあるもんか。」

「いいか。考えてもみろ。

電話をかけてるのはどいつだ?

金を受け取っているのはどいつだ?

警察が捕まえるのは?

ゆっくりと上の方であぐらをかいている親玉ではなく

現場で忙しく電話をかけているかけ子だったり

金をじかにお年寄りから受け取っている受け子のお前らなんだぞ。

お前なんかどうせ親玉からしてみたら将棋でいうところの捨て駒に過ぎない。

利用するだけのただの便利な脳なしとしか見てないんだ。

そうだな~。警察もアジトに踏み込まない限り

かけ子の現行犯逮捕は難しいとして・・・

と言うことはつまり

かけ子よりも受け子のお前の方が現行犯で捕まえやすいという点から見て

警察は真っ先にお前に目をつけるだろうな。」

「う、嘘だ。」

「嘘なもんか。

警察が動いて捜査にでも入ってみろ。

お前なんかかわいそうなもんだ。

仮に現行犯で捕まえられなくてお前が逃げきれたとしても

警察は防犯カメラなどからしっかりと足取りを掴んでいて

いずれお前をかならずマークするに決まっている。

被害に遭ったお年寄りにお前の顔写真見せて

金を受け取りに来たのはこの男ではなかったですか?と尋ねられたとしたら・・・

尋ねられたお年寄りはきっとこう応えるだろうよ。

受け取りに来たのは確かにこの人でした。と・・・

そしてお前は言い逃れも出来ずブタ箱入り確定というわけだ。」

受け子の男、孝は、このオレオレ詐欺のことを今まで深刻に考えてなかったようである。

これを聞いて

今にもちびりそうな怯えようで全身ブルブル激しく震わせ視線を一点に見つめるでなしに

あっちこっちと様々な方向へ向け目線が定まらずにいる。

じつにこの若者は遊び気分でここに就職したはいいが

上から言われたままを実行して

都合のいいように丸めこまれている従順な受け子のおぼっちゃんなのだということがよくわかる。

この業界は受け子の実態というものは学生である傍ら割のいいアルバイトがあると聞いて

罠にはまりにくるここにいる孝のような本当は心の優しい人間がほとんどなのかもしれない。

警察に捕まって初めてことの重大さに気付き

自分の一生を棒に振ってしまった現実にその時になってようやく気付くのである。

「そんなことになればお前のかあちゃん泣くぞ。

手術する金が無いんだろ?お前が刑務所に入っている間に死ぬかもしれねえな。」

孝は一瞬、なぜ知っているんだというような驚きの表情を見せ思わず息を飲む。

いいか。俺の言ったことよく覚えとけ。

出汁だけ取ったらお前なんかリーダーから見放されてすぐポイよ。

お前が捕まろうが何されようがお構いなし。

それくらいにしかお前は思われていない。

明日になればまた違う使えそうな馬鹿を求人探しで探しているに決まってるさ。

どのみち近いうちにこのアジトも調べられて

お前らは一網打尽になってると思うがな。

いいか。人生お先真っ暗になる前に早く足を洗え。

お前には他にもっと合った仕事というものが必ずある。

もし俺だったら使えねえお前よりもフリスビー咥えて戻って来る犬ころの方が

まだ可愛げがあって従順で扱いやすいし愛着持って接するがな。

親玉もきっと同じこと思ってると思うぜ。」

最後の一言はちょっとコイツにはキツイかなとも思ったのだが

ここまで言わないとコイツは改心しないだろうと踏んでの俺の言動だった。

つづく

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南安城整骨院・接骨院のおもしろい院長ブログ

安城市にございます南安城整骨院では、院長がブログを配信中です。院内の出来事や治療の事、お体の事、あるいは日常のちょっとした出来事などを綴っておりますが、ご覧いただいている常連の患者様などからは、文学調で面白いとか、エッセイを読んでいるようだとの感想を頂戴しております。
単に痛みの話や交通事故治療の話を語り、南安城整骨院・接骨院にいらしてくださいというのではなく、どこか小説を読んでいるような面白さでございます。是非一度、ご覧いただき、院長の成りや人柄、考え方に触れていただければ幸いです。
整骨院・接骨院での治療は直接お体に触れ、患部の症状を和らげていきます。そのため、やはり施術する人がどんな人であるのかは、患者様の関心事でございます。ブログを見て、この人なら任せられると思った方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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