2021年03月23日

ボンベレスダイブ108

 

「うるせえ~。おれの勝手だ。お前らにとやかく言われたかねえ。いいかぁ~。そもそもだなぁ~・・・」このからみ具合からして、かなり植村は泥酔しているのが見て取れる。

僕はお粗末すぎて呆れた素振りをしようとしたまさにその時だった。植村が話し始めようとした次の瞬間、ピシっと鈍い破砕音と共に前方にあったフロントガラスが一瞬にしてバリバリと音をたてて砕けていったのである。

バキューン何かが暴発する音が立て続けに2回遠くで聞こえた気がした。

一瞬、何が何だかさっぱり訳がわからなかった。和樹が突然フロントガラスが割れたことにビックリして飛び起きていた。

気になって植村を見る。その状況を見るや僕は青ざめることとなる。植村はハンドルにもたれかかっていたのだ。

「おじさん。どうしたの?大丈夫?」

揺すってみた。ハンドルが少しではあるが左に旋回して植村の体は僕たちの膝の上にのしかかってくる形となった。「おも~い。」突然あまりの重圧感に思わず僕は押しのけてみるしかなかった。丸太ん棒を転がすように前に崩れていった植村を見て余りの変わりように僕は心臓がとび出そうなほど驚いた。「うわぁぁぁ~~」

それを見た和樹が、驚倒するほどの悲鳴にも似た声を発していた。

余りの驚きによって僕たちは素早く座席から立ち上がった。

「し、死んでる・・・」

植村は、右のこめかみを銃で撃たれて死んでいた。これを境に事態は急変する。

運転手のいないトラックは突然左に進路を移し、左車線に移ってもなお左、左と走行していった。このままでは、ガードレールにぶちあたることになる。

「あぶないぃ。」

ガシャーン!

僕の叫び声と同時にトラックは左側にあったガードレールを無理なくなぎ倒すようにぶつかって行った。ガードレールは酷くたわむ形でトラックを受け止める。

すさまじい衝撃が前輪の角度を変え、トラックを右斜め前方へと前進させて行く。バランスを崩した鉄の塊は完全に進むべき方向を見失い運転手共々酩酊状態となっていた。このまま行けば中央分離帯へ突き刺さることになる。しかし重心が定まっていないまま急に右に方向転換したことにより遠心力がついたトラックは、右側車輪が完全に浮き上がってしまいウィリー走行となっていた。そして左の車輪が支点となって車体全体を反時計回りに回る形となり進路方向へ横転して行ったのである。

ガシャーン!ガシャーン!ギギギギギーーーーーーィ!

その後、五、六m横すべりをする形となる。激しく絡むタイヤの摩擦音。破損した部分がむき出しとなりそれがアスファルトを削って派手に火花を散らしていた。右後方に取り付けてあった外側に面したタイヤが勢いよく飛び跳ねて外れていったのである。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

GHOST 本購入はこちら

世直しドクター 本購入はこちら

Facebookはこちら

アメブロはこちら

住所:愛知県安城市日の出町2-20

公共機関:名鉄西尾線 南安城駅 徒歩3分
JR 安城駅 徒歩10分
安城市内循環あんくるバス0番
「日の出」バス停留所より徒歩0分

TEL:0566-45-5427

メールでのお問合せはこちら
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

2021年03月23日

ボンベレスダイブ107

 

ん?地震かな?目覚めた時、そう感じた。ここは、どこ?激しく回転するトルク音。濁った音を奏で、派手に振動しているエンジン音。ようやく事情がつかめた。そうだ、ここはトラックの中だ。今の時刻は?えっと・・・詳しい時刻はわからないが太陽の位置からして、どうやら昼時らしい。それにしても車内の揺れは尋常ではない。

体を起こし、車外を見てみる。愛知県という表示板が一瞬ではあるが見えた気がした。しかしこの速度、普通では考えられない。中央分離帯を埋め尽くす一本一本の木々が、車の後方へ消し飛んでいくように目に映る。ガタガタガタ トラックが分解しそうなほどのオトマトぺがそれを物語る。

左の走行車線を走っている車を見れば短時間の間に次から次へと車を追い抜きごぼう抜きしているのがみてとれる。今、何キロ出ているのだろうか?そっと、スピードメーターを見てみる。なるほど、百五十km。どうりで速いはずだ・・・

えっ~ひゃく、ひゃくごじゅうぅ~~~~ぅ!!!??

僕は、一瞬目を疑った。横には空のビール缶がいくつも転がっている。信じられないほどの数のビールの空き缶だった。それを見ると僕の脇の下は、じっとりと汗をかいていた。

隣の和樹を見てみる。

グーグー気持ちよさそうに眠っている。よくこの振動の中、眠ることが出来るものだ。

あきれる以外、考えられない。

植村を注意したいが注意できない、お世話になっているこの状況。この男、完全にメートルが上がっちまってる。亡くなってしまった弟のことがよほどショックなのだろう。僕もこの隣にいる和樹が死ぬようなことにでもなったらどうなるか想像もつかない。

注意したら、きっとこのトラックをつまみ出される事への計画不履行が、僕の肩に重くのしかかる。でもやっぱりそんなこと、よくない。こんなことを許していたら、植村のこれからのためにもならない。言うべきことは言うべきなんだ。ましてや僕たちの命がかかっているんだ。僕は、深呼吸して運転手の顔を見た。

アルコールとスピードのせいで植村の目が充血して血走ってる。まるで獣と化している。

「ちくしょぉ~なんれ死んれしゃったんらぁ~・・・!」

ろれつがまったく回っていない。ライオンが低い声でゴォーゴォー吠えたくっているようだ。「駄目ですよ。飲酒運転は。それにそんなにスピード出したら、危ないじゃないですか。」

「あぁ~?」植村が怒気に満ちた眼差しで横を向いた。

睨みつけられ、僕は思わずその気まずさに目を背け、真っ直ぐ前を見ることになった。その時である。前方を見た僕の目の先には高速道路の上を横切る高架があって、その上にはなにやら人影が見えたのだ。そんなこと絶対あり得ないと思うがライフルの照準をこちらに合わせ身構えている一人の男が見えた気がした。一体何をしているのだろう?あんな所で。いたずらなのか?全然、検討もつかない。その時、また植村のろれつの回らない声が始まっていた。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

GHOST 本購入はこちら

世直しドクター 本購入はこちら

Facebookはこちら

アメブロはこちら

住所:愛知県安城市日の出町2-20

公共機関:名鉄西尾線 南安城駅 徒歩3分
JR 安城駅 徒歩10分
安城市内循環あんくるバス0番
「日の出」バス停留所より徒歩0分

TEL:0566-45-5427

メールでのお問合せはこちら
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

2021年03月23日

ボンベレスダイブ106

 

植村が、話終える。しばらくの沈黙が続くことに・・・

周りから聞こえてくるのは、トラックのエンジン音しかない。

しかし僕たちの耳には、それが地獄の窯が煮えたぎる慟哭の音にしか聞こえてこなかった。

「俺がな。おまえらをこのトラックに乗せようと思ったのはな。お前らにはリストカットした弱い友達がいると聞いたからだ。俺の弟は死にたくないのに誰だかわからねえ奴に殺されて死んでいった。この悔しさがお前らにわかるか?別に本人が死を望んでいたわけでもない。決して本人は死にたくもないのにだ。それなのに・・・なぜだ。人は独りで自然の摂理に逆らってまで自分勝手に死にたいから死んでいってるという現実がある。当たり前のように死んでいける世界があるってこと自体大きな間違いなんだ。この世はてめえ独りだけじゃねえんだ。人一人死ぬということは俺たちのような周りも大きく人生を狂わせることになる。それがわかっていねえ。あたかも死ぬのは私の勝手でしょと言わんばかりの態度になって開き直る。人はオギャーと生を受けてこの世に産まれたからには天寿を全うして精一杯生きなきゃならねえんだ。俺はお前らにそういう現実があるということを判ってもらいたい。死というものは自らがすすんで望むんじゃねえ。死というものを軽視しているそのアンポンタンに言ってやれ。死は自然に受け入れるものだ。生きて生きて死の使いの者からお呼びがかかるまで精一杯生きるんだと・・・」

植村が語気を強めている点から真剣度が伝わってくる。

「いいか。わかったな?」

強い眼差しを僕たちに向ける。

僕たちは、植村の強い申し出に深く頷いた。

そうか。改めて納得したことがある。この植村という人物が僕たちの安否をここまで心配してくれるのは、自分の周りでこれほどの残忍な事件があったからなのか?

僕たちに警鐘を鳴らせているとも言える。

 

「ひどい事件。」

しばらくして和樹が静かに言った。

「ちくしょ~。明が死んだのは、この世界が悪いんだ。明は、今の時代の言うなれば犠牲者だ。ちくしょ~。」

プシューー

ビール缶を開ける音と共に、すすり泣く声が遠くのほうに聞こえるようになっていた。

僕たちは激しい眠りに襲われつつあった。

あまりの眠さに思考回路がだんだんと断線していくのが分かった。

トラックの小気味良い振動が手伝ってか、またもや僕と和樹は夢の世界へと引きずり込まれていったのである。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

GHOST 本購入はこちら

世直しドクター 本購入はこちら

Facebookはこちら

アメブロはこちら

住所:愛知県安城市日の出町2-20

公共機関:名鉄西尾線 南安城駅 徒歩3分
JR 安城駅 徒歩10分
安城市内循環あんくるバス0番
「日の出」バス停留所より徒歩0分

TEL:0566-45-5427

メールでのお問合せはこちら
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

2021年03月23日

ボンベレスダイブ105

永遠に鳴り止むことのない皮が裂かれ肉片が切り刻まれながら刃物を受け止める音。

激しくランダムに降り下ろされるナイフの上下運動。

母親と娘、二人のおびただしいほどの血が、フロア全体を血の海と化す。現場はこれ以上のものはないと言うくらいの凄惨さを極めていた。

どれくらい時間がたったことだろう?

次は母親と娘のいた部屋の隣にある七歳の息子の部屋のドアが開いたのは・・・

ギイィー

暗闇の中、月光に不気味に青白く照らし出された純白の扉が、ゆっくりゆっくりと人の首でも絞め殺すかのように音を軋ませながら開いていく。

この悪魔の登場が今から殺される者を恐怖のどん底にまでおとしいれて尚一層恐怖心を盛り立てるようにするためには最も相応しい舞台設定と言える。ここでも同じように2mの大男は惨劇を繰り返すつもりでいるのだ。ただここでは少し状況が違っていた。部屋にいた息子は普通の子供とは違い意識障害を持っていた。

それもあってか息子を殺すことは大男にとっていともたやすい簡単な事であった。

どうしようかと色々考えた挙句、刺殺するでもなく、絞殺するでもなく、口と鼻を塞ぎ、ゆっくりと優しく窒息させていくことに決めたのだった。こんな殺し方も時には、あってもいい。殺しのフルコースの締めくくりは、やはりお口直しにデザートといったところだろうか。男の口元は終止符をうつ意味で三日月状に吊上がり、例えようの無い快楽に顔を歪ませ一家惨殺というものをやり終えた達成感に思わずニヤリとせずにはいられないのだった。

男は最後の最後になって趣向の変わった殺しが出来たことに、しばし酔いしれていたのだ。

それから、なんと十二時間もの間、男は殺害現場に居座った。

事もあろうに被害者の財布から札を抜き取り、一階にあったパソコンでインターネットをしたりゲームをしたりして楽しんでいた。

そして浴室に行っては湯船に湯をはり、その上に家のあちこちから集めた花瓶を持ってきて挿してあった花の頭の部分だけを引きちぎると手で揉みほぐしながら花びらだけを湯船に浮かべ入浴したのだった。また入浴が済むと裸で動き回り犯行後にも拘わらず冷蔵庫を物色しては牛乳をがぶ飲みしメロンをかじり、イチゴをむさぼるように食い荒らし大型の容器に入っていたアイスクリームをスプーンでほじくりながら食べ散らかし、まるで自分の家にいるような感じで自分なりの楽しい時間を過したのだった。

男は、三日間この家に滞在するつもりでいた。ところがだ。隣に住んでいた、たった今殺した家族の母親が、玄関のチャイムを鳴らし入ってきたのだ。

男は慌てて、取るものも取らず、裏口からその場を後にしたのだった。」

これが、全貌だった。あまりのショックにその話を黙って聞いていた僕たちは言葉を失っていた。残虐非道な犯行、まさに鬼畜の所業だった。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

GHOST 本購入はこちら

世直しドクター 本購入はこちら

Facebookはこちら

アメブロはこちら

住所:愛知県安城市日の出町2-20

公共機関:名鉄西尾線 南安城駅 徒歩3分
JR 安城駅 徒歩10分
安城市内循環あんくるバス0番
「日の出」バス停留所より徒歩0分

TEL:0566-45-5427

メールでのお問合せはこちら
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

2021年03月12日

ボンベレスダイブ104

永遠に鳴り止むことのない皮が裂かれ肉片が切り刻まれながら刃物を受け止める音。

激しくランダムに降り下ろされるナイフの上下運動。

母親と娘、二人のおびただしいほどの血が、フロア全体を血の海と化す。現場はこれ以上のものはないと言うくらいの凄惨さを極めていた。

どれくらい時間がたったことだろう?

次は母親と娘のいた部屋の隣にある七歳の息子の部屋のドアが開いたのは・・・

ギイィー

暗闇の中、月光に不気味に青白く照らし出された純白の扉が、ゆっくりゆっくりと人の首でも絞め殺すかのように音を軋ませながら開いていく。

この悪魔の登場が今から殺される者を恐怖のどん底にまでおとしいれて尚一層恐怖心を盛り立てるようにするためには最も相応しい舞台設定と言える。ここでも同じように2mの大男は惨劇を繰り返すつもりでいるのだ。ただここでは少し状況が違っていた。部屋にいた息子は普通の子供とは違い意識障害を持っていた。

それもあってか息子を殺すことは大男にとっていともたやすい簡単な事であった。

どうしようかと色々考えた挙句、刺殺するでもなく、絞殺するでもなく、口と鼻を塞ぎ、ゆっくりと優しく窒息させていくことに決めたのだった。こんな殺し方も時には、あってもいい。殺しのフルコースの締めくくりは、やはりお口直しにデザートといったところだろうか。男の口元は終止符をうつ意味で三日月状に吊上がり、例えようの無い快楽に顔を歪ませ一家惨殺というものをやり終えた達成感に思わずニヤリとせずにはいられないのだった。

男は最後の最後になって趣向の変わった殺しが出来たことに、しばし酔いしれていたのだ。

それから、なんと十二時間もの間、男は殺害現場に居座った。

事もあろうに被害者の財布から札を抜き取り、一階にあったパソコンでインターネットをしたりゲームをしたりして楽しんでいた。

そして浴室に行っては湯船に湯をはり、その上に家のあちこちから集めた花瓶を持ってきて挿してあった花の頭の部分だけを引きちぎると手で揉みほぐしながら花びらだけを湯船に浮かべ入浴したのだった。また入浴が済むと裸で動き回り犯行後にも拘わらず冷蔵庫を物色しては牛乳をがぶ飲みしメロンをかじり、イチゴをむさぼるように食い荒らし大型の容器に入っていたアイスクリームをスプーンでほじくりながら食べ散らかし、まるで自分の家にいるような感じで自分なりの楽しい時間を過したのだった。

男は、三日間この家に滞在するつもりでいた。ところがだ。隣に住んでいた、たった今殺した家族の母親が、玄関のチャイムを鳴らし入ってきたのだ。

男は慌てて、取るものも取らず、裏口からその場を後にしたのだった。」

これが、全貌だった。あまりのショックにその話を黙って聞いていた僕たちは言葉を失っていた。残虐非道な犯行、まさに鬼畜の所業だった。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

GHOST 本購入はこちら

世直しドクター 本購入はこちら

Facebookはこちら

アメブロはこちら

住所:愛知県安城市日の出町2-20

公共機関:名鉄西尾線 南安城駅 徒歩3分
JR 安城駅 徒歩10分
安城市内循環あんくるバス0番
「日の出」バス停留所より徒歩0分

TEL:0566-45-5427

メールでのお問合せはこちら
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

南安城整骨院・接骨院のおもしろい院長ブログ

安城市にございます南安城整骨院では、院長がブログを配信中です。院内の出来事や治療の事、お体の事、あるいは日常のちょっとした出来事などを綴っておりますが、ご覧いただいている常連の患者様などからは、文学調で面白いとか、エッセイを読んでいるようだとの感想を頂戴しております。
単に痛みの話や交通事故治療の話を語り、南安城整骨院・接骨院にいらしてくださいというのではなく、どこか小説を読んでいるような面白さでございます。是非一度、ご覧いただき、院長の成りや人柄、考え方に触れていただければ幸いです。
整骨院・接骨院での治療は直接お体に触れ、患部の症状を和らげていきます。そのため、やはり施術する人がどんな人であるのかは、患者様の関心事でございます。ブログを見て、この人なら任せられると思った方は、ぜひお気軽にご相談ください。

治療や料金について 患者様からの声
ページの先頭へ