ボンベレスダイブ97
「本当に、いいんですか?」
僕は、トラックに近づき、男に話しかけていた。
「乗れ。」
「お金が、本当にないですよ・・・」
「そんなの要らん。とっとと、助手席に乗れ。」
「お金なくても、いいですか?」
僕は、改めて念を押す。
「くどい。お前は本当に行きたいのか?それとも行きたくないのか?どっちなんだ。」
「行きたいです。」
「だったら、乗れ。」
「あ、ありがとうございます。」
あくまでも虎視眈々とした男のぶっきらぼうなその態度に僕はあっけにとられる。
さっきの2人組みの男たちより言葉は乱暴だが、話してみた感じこの男は裏がなさそうだ。
トラックの運ちゃんというものは、気性が荒く、短気だと聞いてはいたが、まさかここまで威圧されるとは予想だにしていなかった。
僕たちは、そのトラックの助手席にすばやく乗り込んだ。
プゥォーーン
「俺の名前は植村ってんだ。」
そう言うとクラクションと共に、トラックは爆音発車していた。
(少し離れた空き地)
コンビニから離れたわき道からシルバーの車が朝日の光を浴びてキラキラ輝いている。
車内でそれを一部始終遠くで見ていた一人の男。
男は、おもむろに携帯電話を取り出し、電話を掛けていた。
「ああ、俺だ。ガキ達は、ようやくトラックに乗りこみやがった。やっぱり睨んだとおりあの会社のトラックだったよ。後から俺もそちらに向かうからな。いいか。しくじるんじゃねえぞ。しっかりやれよ。」
男はそう言うと電話を一方的に切っていた。
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