2020年04月19日

GHOST 第17話

 

吉田はタバコの火を承に押し付けた後

何かに気づく。

「お前、何持ってんだ?」

承の手に持っている物に目が留まる。

それは俺が生前にしていた腕時計・・・

「おい。なんでこんなもの持ってんだ。

ガキの分際で!!!

腕時計なんてしゃらくせえ。

こんな物いつまでも持ってるから俺に懐かねえんだ。」

と言ったところで

「ただいま。」

有子が買い物から帰って来る。

「今から食事作ります。」と部屋をのぞき有子が淡々と言うと

「おい。これ見ろよ。コイツ今でもこんな物持っていやがった。」

すかさず吉田が腕時計を有子に見せる。

「あっ。それ亡くなった主人の・・・

承が思い出として大切に持っていたのね。

あなた・・・嫌じゃなかったら代わりに時計はめてくださらない?」

有子が申し訳なさそうに言う。

「お前、本気でそんなこと俺に言ってんのか?

こんな死んだ奴の時計・・・縁起でもねえ。

気色悪くてはめられるか。

かえって祟られるってもんだ。」

俺がすぐ近くに居て聞いているとも知らず

何もわからず俺の悪口を構わず吉田がバンバン言っていることに

無性に腹がたってくる。

GHOST「ああ。そう言うのならお前の望みどおりに祟ってやろうか。」

どうせいつものことながら伝わっていない。

自分ひとりが腹をたてているだけ損な気がする。

「コイツの不幸が俺にのり移っちまうじゃねえか。

GHOST「お前が承を不幸にさせてんだろ。」

「苦しむのはコイツだけでいいんだ。

なんで本当の親でもねえ俺が

コイツの不幸分まで背負わされなくちゃいけねえんだ。

こういう縁起でもねえものはな・・・

こうしてやるのが一番なのさ。」

吉田は居間から窓を開けベランダに出ていく。

手に持っていた腕時計を

空中に向かい投げ上げる体勢をとる。

そして次のように言う。

「お前の忘れ物だぜ。ぼんくら。

これでお前のものでこの世にあるものは

承だけだ。まったくやっかいなものこの世にこしらえやがって。

俺がゆっくりとお前の分身をいたぶってやるからな。

あの世からよく見とくんだな。

その前に・・・っと

受け取れ。このガラクタ・・・」

吉田は天空に向かい大声で叫ぶ。

俺に向け発した言葉であることはすぐわかった。

GHOST「馬鹿。何する気だ。やめろ。

それは承が唯一大切にしている物なんだ。

残してやっておいてくれ。」

吉田は有無を言わさず

4階から天空へ向け腕時計を放り投げる。

「ビューン!!」

GHOST[馬鹿。やめろぉ~]

「あなた、やめて。」

「ぼくのおとうちゃ。とけい・・・」

その瞬間、泣きながら承は叫ぶ。

まさか吉田が4階から俺の形見である腕時計を放り投げるなんて・・・

想像もしていなかったに違いない。

承は慌てて玄関に向かい時計を追いかけようとする。

「おっと、そうはさせるか。

お前を外なんかに出しちまったら俺の虐待がわかっちまうだろ。

2度とお前なんか外に出すつもりはねえ。」

吉田が承の行く手を阻む。

暴れる承を力づくで抱きかかえるとすぐさま床へと叩きつける。

「バシーン!!」

「おとうちゃ。おとうちゃ。ぼくのおとうちゃのとけい~あぁ~」

全身をフロアーに強く打ちつけられ痛がりながらも

必死になって腕時計を失ったことに対して狂ったように承は泣き叫ぶ。

「うるせえ。静かにしろ。

まわり近所に聞こえるだろ。

だまれ。

だまれと言ってるだろ。わからねえのか。

そんなうるせえ奴にはお仕置きしかねえな。」

と言うと近くにあるクロゼットの扉を開ける。

そしてクロゼットの中に承を押し込めようとする。

GHOST「やめろぉ~。たのむ。たのむ・・・」

俺は吉田が今から何をしようとしているのか瞬時にわかると

大声で叫ぶが吉田にはこの声は届かない。

最後は力なく拝むしかない。

「あなた何するの?やめて。」

有子も大声で泣き叫んでいる。

承は慌ててクロゼットから出ようとする。

行く手を塞ごうとする吉田。

思わず吉田の手が承の顔へと覆いかぶさる。

ガブリ!!

「いてぇぇぇ。こいつ、俺の手を今咬みやがった。」

お互い吉田も承も必死の形相になっている。

「チクショ~どこまでお前はクズなんだ。

このクソガキぃ。

もうゆるさねえ。」

そう言うと承を大人の力で強引にねじ伏せ

首根っこ捕まえベランダに連れていく。

GHOST「なにする気だ。」

「あなた、お願いだからもうやめて。」

吉田は承をよいしょと持ち上げたかと思うと

両足を抱えたまま承を半身だけベランダから柵を乗り越え外へと放り出す。

GHOST「あぶない。」

それを見た瞬間、あまりの残酷さに有子はその場で気絶してしまう。

「ぎゃぁー」

暴れまわり叫び狂う承。

4階から放り出された怖さのあまり

段々と承の動きが固まってくる。

承が気を失い完全に固まったところで

吉田は承の両足首を持ち

承の全身をベランダの外へと吊るす。

承の体は吉田の両手によって両足を持たれ4階から宙吊り状態。

もし吉田の手が離れることになれば

4階から落下して地面に叩きつけられ命を落とすのは確実である。

「おら。怖いか。

どんなに叫んだってお前のお父ちゃんなんて助けに来てくれやしねえぞ。

死んじまったんだからな。わかってんのか。

お前を捨てたも同じってことだ。どうだ悔しいか。

だからどうなろうともお前は俺に従うしかねえんだよ。

俺の奴隷になるってこった。

それがお前の今ある生きるための術だ。

どうだ。よくわかったか。このクソガキ。

俺様の偉大さを思い知れ。」

吉田は悪ふざけでもして楽しんでいる子供のように

顔はニヤつきながら承を虐待する。

GHOST「ひどい。ひどすぎる・・・」

絡まった糸を揺さぶらせて解こうとするように

承の体を前後に振ったかと思うと左右に振り回し

さらに自分自身がスリルと快感を味わうように

ベランダの柵の上に自分の前腕をあずけテコの原理を利用して

承の体を上げては下げしながら上下動させる。

「ぎゃあ~」突然、意識を取り戻した承は

今ある現状に気づき悲鳴を再度あげる。

しばらくすると承は大人しくなる。

信じられない状態にされていることにまた気絶したのだろう。

GHOST「頼む。やめてくれ。頼む・・・お願いだ・・・」

どうあがいても俺の切なる思いなんて決して届かない。

承が完全に気を失っているとみるや

承の体をベランダの柵から引き上げ

部屋の中へと戻す。

よかったと安堵するのも束の間、

吉田はヘロヘロになって元気のなくなった承を

クロゼットの中へと再度閉じ込めようとする。

承を監禁することは、まだ諦めていないようだ。

実にしつこい。

ワニやらサメが食いつくように絶対何が起ころうと離さない感じで

手足が無くなるまで死闘を繰り広げるつもりらしい。

むしろ気絶でもさせたら好都合。

承を自分の思うように扱いやすくなるとの判断だったのかもしれない。

意識が戻った承は尚も必死の思いで抵抗を始める。

絶対出してなるものかと吉田は足で承を力いっぱいクロゼットの中へと蹴飛ばし

そのまま片足で承をクロゼット奥の壁に押さえ込むと

急いで承を押さえている片足を一気に離し

「ガチャン」と扉を力任せに勢いよく閉める。

クロゼットの扉の前に重そうなタンスをすばやく置いて出口を塞さぐ。

GHOST「やめろぉ~やめてくれぇ~」

俺は地の淵から渾身の力を込めて泣き叫ぶ。

承は暗闇の中でクロゼットの扉を思い切り叩き

俺と同じように泣き叫んでいる。

こうして承のクロゼットの中での生活が始まるようになってしまう。

 

 

つづく

 

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