2020年02月05日

世直しドクター オレオレ詐欺編 第3話

 

病院の裏手へとまわりそこから距離にして約7km行った所に女性の家はあった。

名古屋の中心といえども一歩路地裏に入れば古い長屋が建ち並び

呑み屋街が競うように夜の街の彩りを飾って古ぼけた看板がひしめき合うのだが

このあたりは大胆な土地改造計画のもと

立ち退きによる区画整理がおこなわれ

それによって閑静な住宅が徐々に建つようになっていた。

土地開発というものが時代の波にのって一気に押し寄せて来ていて

最近になって目覚ましく進んでいると言っても過言ではなく

ここ10年で急速な勢いでスポーツ施設やらスーパーマーケットが建ち並び

総合施設を兼ね備えるまでに成長していた。

そこへ中堅クラスのサラリーマン家族がこぞって押し寄せるほどの人気となり

まさに近代化の波に乗った未来派志向のベッドタウンへと変貌していた。

その一角にあるひときわ立派な門構えの家の前までくると

女性は「この家です。」と指をさした。

家の全体像があらわとなる。

コンクリートで四方を固められた建物からは冷たさが伝わってきそうなほどひっそりしている。

隣りの車庫には、まるで金持ちの象徴だと言い張ってるように

一台のベンツが鎮座している。

たとえ街中にあるとはいえ、これだけの所にこれだけのものを

構えることができるとは豪勢なものである。

「奥さん、こちらに住んで長いんですか?」

金をかけていそうな家を見ながら俺は尋ねた。

「いえ、まだ1年なんです。

その前はここから10キロほど離れた古いアパートに住んでいたんです。

こちらに来る6年前に夫がリストラにあって、

4年間ほど仕事をせずギャンブルと酒浸りの毎日を送っていたんです。

その時は貯金も段々と少なくなり、

底をつく寸前までいったのですが、

そんな落ちぶれていく最中

ある時、街で昔からの知り合いである後輩に偶然にも出くわしたみたいで。

それがきっかけとなり一緒に仕事をし始めるようになって・・・

その人が今一緒に部屋に籠もって生活している人なんです。

それからというもの

今までの私達の錆びれていた生活が一変して

急に活気づいてきて

今では飛ぶ鳥を落とすまでになったというか。

どうにかここまでこぎつける事ができたんです。

だから本当の事言うと途中で場所は変わりはしましたが2年前から

3人で部屋にとじこもったままの状態を継続していたというか・・・

その間に金銭的に余裕が出来たこともあり

こちらに1年前に引っ越してくることができたわけなんです。

最初の頃は別に何も思わず、

地道に主人の後輩達と何か仕事を始めたんだなとしか思っていませんでした。

でも段々と日が経つにつれ、どうもおかしいと思うようになったんです。

というのも主人達は何か手に職を持つことのできる技術でもあるのかと言われれば

それはまったくないズブの素人でして。

とりたてて何か得意分野でもあるわけでもないし・・・

どうしてお金を稼いでいるんだろうと時間が経つたび不思議に思えてきて・・・

またここ最近になって色んな物を湯水のように使うようになってきて

あれも買い、これも買いと浪費が激しくなったものですから。

主人達が何か悪い事でもしていないか?と心配で。心配で。」

「・・・と言うことは今のことをするようになって1年。

わずか1年でこの街中にある一戸建てに住めるようになったということですか。」

「そうなんです。ほぼ無一文と言っていいくらいから始めたんです。

こんな短期間でここまでできるなんて主人もすごいなと当初は思ったものですが、

あまりにもお金が貯まっていくのに不自然なことが多くて、

よほどしている仕事に自信があるのかも知れませんが

パッパと色んなものを惜しげもなく買うようになってきたものですから・・・」

ここまで聞いてその派手な暮らしぶりに俺は驚いた。何かある。ない方がおかしい。

無表情のまま佇むコンクリートの塊が

あらゆるものを覆い隠しているように俺の目には映ってくる。

豪華な邸宅の背後には

全てを物語るように

怪しい暗雲が不気味なほど真っ黒く立ち込め

罠にはめようと俺達をせせらわらっているかのように見えた。

つづく

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